- 枝葉の香りが良い木を教えて下さい(10)
タムシバ/たむしば/田虫葉
本州、四国及び九州の山地や深山に分布するモクレン科モクレン属の落葉樹。
コブシの仲間で西日本と雪深い日本海側に多く、関東地方ではほとんど見られません。
葉を噛むと甘みがあり、葉にとどまらず、樹皮枝にもクロモジのようなさわやかな香りがあるため
ニオイコブシ、枝葉を噛むと甘味があるため、サトウシバという別名があります。
- 枝葉の香りが良い木を教えて下さい(9)
ゴマギ/ごまぎ/胡麻木
関東地方以西の本州、四国、九州及び沖縄に分布する落葉高木。
日本の固有種で、若い枝葉や樹皮にゴマの油のような香りがあるため、ゴマギと名付けられた。
ゴマギの葉は枝から対になって生じ、先端近くの縁にはギザギザがあり、
葉に近付くだけでゴマの香りがありますが、揉んだり千切ったりするとより一層、香りがします。
- 枝葉の香りが良い木を教えて下さい(8)
コクサギ/こくさぎ/小臭木
本州、四国及び九州の山野に自生するミカン科の落葉樹。
コクサギの葉は名前のとおり、葉や枝には独特の臭気があり、これを煎じた汁は殺虫剤として
家畜の皮膚病に使われています。
- 枝葉の香りが良い木を教えて下さい(7)
クロモジ/くろもじ/黒文字
関東地方以西の本州、四国(瀬戸内海側)及び九州の雑木林に見られるクスノキの仲間。
ダークグリーンの樹皮にできる黒い斑点を文字に見立てて「黒文字」と名付けられたそうです。
樹皮や葉にはテルペネオールや、リモネンという芳香成分が含まれ、枝葉を折ると柑橘系に似た
特有の香りがします。
樹皮を残したクロモジの枝や材で作られた爪楊枝(切り箸)は高級品として扱われています。
- 枝葉の香りが良い木を教えて下さい(6)
ダンコウバイ/だんこうばい/檀香梅
関東地方以西の本州、四国及び九州に分布するクスノキ科の落葉低木。
各地の山地に自生しますが、早春に咲く花を観賞するため庭木として使われることも多いです。
枝を折るとクスノキ科に特有の香りがあり、クロモジと同様、枝を楊枝の材料にする事で知られています。
「檀香」は紫檀、白檀、栴檀など香りの良い材の総称で、
「檀香梅」は本来ロウバイの一種であるトウロウバイを指しますが、
枝に香りがあり、ウメのような花を咲かせる本種を言うようになりました。
- 枝葉の香りが良い木を教えて下さい(5)
アブラチャン/あぶらちゃん/油瀝青
本州、四国及び九州の各地に分布するクスノキ科クロモジ属の落葉低木。
湿気のある山間の樹林で普通に見られますが、株立ち状に育つことや、
あまり背丈が高くならないことから、雑木の庭に好んで使われています。
開花は3~4月、黄色い花が数輪ずつ、短い枝にまとまって咲き
その後に出来るの果実は直径1.5cmほどの球形で、10~11月になると褐色に熟す。
果皮を割ると柑橘系の香りがありますが、表面に光沢があり、見るからに脂ぎっています。
葉の色が明るく、赤みのある葉柄とのコントラストが清涼であること、
秋の黄葉が美しいことも庭木として評価されるポイントです。
枝を折ったり、葉を揉んだりすると、クスノキ科特有の香りがあります。
- 枝葉の香りが良い木を教えて下さい(4)
ヤブニッケイ/やぶにっけい/藪肉桂
福島県以西の本州、四国、九州及び沖縄に分布するクスノキ科の常緑樹。
山地の藪に自生する在来種で、葉や樹皮にニッケイに似た香りがあるためヤブニッケイと呼ばれます。
葉の表面には光沢があり、暗がりでもピカピカした感じですが、裏面は黄緑色か灰白色になります。
葉にはクスノキ科特有の芳香があり、臭みを消すため、魚料理にこの葉を使う地方もあるそうですが、
ニッケイほど強い香りではなく、香辛料には向きません。
- 枝葉の香りが良い木を教えて下さい(3)
ニッケイ/にっけい/肉桂
クスノキ科クスノキ属の常緑高木。
ニッケイの木は、枝葉、樹皮、根に特有の強い香りがあり、香辛料や薬用として
奈良時代から使われていました。
昭和時代に駄菓子屋で、赤紙に束ねて売られていたニッキやニッキ水は本種の細根を利用したもので、
古くは商業的に栽培されていましたが、現在はより香味の高い中国産(シナニッケイ)に
取って代わられました。
「ニッキ」の印象が強くハッカと混同されますが、ハッカはペパーミントなどシソ科ハッカ属の葉から
抽出するものであり、根本的に異なります。
また、スパイスでお馴染みのシナモンは本来、セイロンニッケイの枝皮を乾燥させたものです。
- 枝葉の香りが良い木を教えて下さい(2)
ゲッケイジュ/げっけいじゅ/月桂樹
ヨーロッパ南部の地中海沿岸域を原産地とするクスノキ科ゲッケイジュ属の常緑樹。
葉を料理の香りづけに、果実をオイルに使うことで知られ、枝葉がよく茂ることから樹形を整えやすく、
庭木として育てられる例も多いです。
葉に鼻を近付けても匂いませんが、傷付けると果物のような香りが、肉などの臭みを消す効果や
健胃の作用があるため、陰干しした葉は「ローリエ」「ベイリーフ」として流通し、
ゲッケイジュをクッキングハーブと呼ぶこともあります。
- 枝葉の香りが良い木を教えて下さい(1)
クスノキ/くすのき/楠木
茨城県以南の暖地に自生するクスノキ科クスノキ属の常緑樹。
光沢のあるライトグリーンの新緑が美しく、枝葉をちぎるとハッカのような芳香を放つのが特徴。
クスノキの材や枝葉からは、カンフル剤の原料となる樟脳、香料が採取できます。
防虫効果のある樟脳(タンスに入れる防虫剤)は木全体に含まれるため、
樹木としてのクスノキに害虫の被害は少ないです。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(64)
ユズ/ゆず/柚子
中国の揚子江流域(雲南、チベットなど)を原産とするミカン科ミカン属の常緑樹。
香りを楽しむ、庭木としては関東以西の暖地で栽培されています。
ユズの開花は春~初夏(4~6月)で、枝先近くの葉の脇に咲き、花弁は肉厚で香りが強いです。
果実は10月から1月にかけて熟すと鮮やかな黄色になります。
冬至のユズ湯の起源は不詳ですが、太陽の光が最も弱った日に、ユズの黄色で
力を補うとする説が一般的であるようです。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(63)
カリン/かりん/花梨
中国を原産とするバラ科の落葉高木で、甲信越地方や東北地方では庭木として植栽されています。
春にはボケやカイドウに似た花を咲かせ、初夏の新緑や秋の紅葉が美しく、冬には黄色い果実が
冬枯れの庭を彩るため、古くから寺院などの庭木や街路樹に用いられています。
カリンの開花は3~5月で、淡いピンク色の花が一輪ずつ咲き、花には香りはほとんどありません。
ボケの花に比べると花弁が落ちやすく、色合いも淡いため見栄えがしないと言われていますが、
新緑の淡い緑とのコントラストは美しいです。
花の後にできる果実は10月頃に光沢のある黄色に熟し、見た目はおいしそうですが木質で硬い上、
酸味、渋みともに強く、そのままでは食べられません。
香りを楽しむ場合は、できるだけ完熟させてから収穫すると香りが強くなります。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(62)
キンカン/きんかん/金柑
中国南部からマレー半島にかけた地域を原産とするミカン科キンカン属の常緑樹。
キンカンの開花は5~9月頃。品種によっては四季咲き性が強く、厳冬期と酷暑期を除けば
通年にわたって花が咲くのも稀ではなく、キンカン特有の香りがある。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(61)
サルココッカ/さるここっか
ヒマラヤ地方(インド東北部、ネパールなど)、中国南部及び東南アジアの各地を原産とする
ツゲ科の常緑低木。
花の少ない2~3月に咲き、開花期間が長く、そしてキンモクセイ、ジンチョウゲ、クチナシ
などと同じように花に強い香りがあることから、近年、日本でも都市部のビルの植栽や
洋風庭園の縁取りなどに使われる機会が増えています。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(60)
ロウバイ/ろうばい/蝋梅
中国中部を原産とするロウバイ科の落葉低木。
江戸時代初期に朝鮮半島を経由して日本へ渡来し、観賞用として庭園や公園に植栽されました。
黄色いウメと勘違いされやすいですが、ウメの仲間(バラ科)ではありません。
開花は11~1月、厳冬期の庭を彩る貴重な花木であり、文人画の世界では
ウメ、サザンカ(ツバキ)、スイセンと共に「雪中四友(雪中四花)」に数えられます。
蝋細工のような黄色い花は人工的な質感で好みは分かれるものの、大変に香りが強く、
年末年始を彩る切花としても人気があります。
ロウバイの花が香るのは人間へのサービスではなく、受粉を手伝ってくれる昆虫を集めるためで
強い香りを放ち、昆虫に識別されやすい黄色い花となります。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(59)
ビワ/びわ/枇杷
関東以西の本州、四国及び九州の暖地に分布するバラ科の常緑広葉樹。
開花は11月~2月、花は直径1cmほどで、多数が円錐状に集まって甘い香りを放ちます。
果樹の中で最も開花が遅く、寒さを防ぐため、蕾や花柄は淡い褐色の毛に覆われ、
個々の開花をずらすことで、寒害による全滅を防いでいます。
花が少ない時季である為、花蜜を吸いにハチやアブなど多くの昆虫やメジロなどの小鳥が集まります。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(58)
サザンカ/さざんか/山茶花
山口県以南の各地に自生するツバキ科の常緑樹。
日本特産の花木で、暖地の林内や林縁に自生します。
花は直径4~8cmで枝先に一輪ずつ咲き、5~7枚ある花弁は先端が少しへこみ、
雌しべの先端(柱頭)は三つに裂けます。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(57)
ヒイラギ/ひいらぎ/柊
福島県以南の本州、四国、九州、及び沖縄に分布するモクセイ科モクセイ属の常緑樹。
山地の林内に自生し、庭木としても垣根などに使われています。
ヒイラギの開花は晩秋11~12月で、ギンモクセイに似た白い小さな花が葉の付け根に集まって咲きます。
雌雄異株ですが花の形は雌雄とも変わらず、葉陰に埋もれるように咲くため余り目立ちませんが、
香水のような良質の香りがあります。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(56)
ウスギモクセイ/うすぎもくせい/薄黄木犀
中国及びインドを原産地とするモクセイ属の常緑樹で、ギンモクセイの変種です。
見た目はほぼギンモクセイやキンモクセイと変わりませんが、
花の色は両者の中間のような淡いクリーム色で、キンモクセイよりもやや大きく、
香りはキンモクセイより弱く、ギンモクセイより強いです。
キンモクセイは実がなりませんが、、ウスギモクセイは日本に雄株と雌株があり、
花の後、翌年の初夏にかけて実を結ぶのが大きな特徴です。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(55)
ヒイラギモクセイ/ひいらぎもくせい/柊木犀
モクセイ科の常緑樹でギンモクセイとヒイラギの交雑種(中間種)です。
高木の下など日陰になるような場所でも育ち、剪定によって形を整えやすいことから、
主に生垣用として公園や庭園に植栽されています。
剪定され続けることが多く、都市部では花を見る機会が少ないですが、
やや放任気味に育てれば花が咲きます。
開花はキンモクセイやギンモクセイと同じ9~10月頃で、晩秋に咲くヒイラギよりは早いです。
花はその年に伸びた葉の付け根や枝先に咲き、ほぼギンモクセイと変わりませんが、
直径はやや大きく、花の先端は四つに裂け、雄しべと退化した雌しべがありますが、
日本では雄株が中心であるため種子はできません。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(54)
ギンモクセイ/ぎんもくせい/銀木犀
中国を原産地とするモクセイ科モクセイ属の常緑樹。
秋に芳香のあるオレンジ色の花を咲かせるキンモクセイはギンモクセイの変種にあたります。
花期は9~10月頃、雌雄異株で雄の木には雄花が、雌の木には雌花が咲き、キンモクセイほど
ではありませんが芳香があるため、茶花には向きません。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(53)
キンモクセイ/きんもくせい/金木犀
モクセイ科の常緑広葉樹であるギンモクセイ(銀木犀)の変種。
古くから観賞を目的として庭や公園に使われていますが、中国から渡来したものであり、
日本の野山には自生しません。
関東地方以北ではギンモクセイより数多く植栽されています。
開花は9~10月で、花の香りはギンモクセイよりも強いですが、寿命は意外と短く、
開花期間は7~10日です、しかし9月と10月の二度にわたって咲く
「二度咲き」も珍しくありません。
日本ではジンチョウゲ、クチナシと共に三香木とされています。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(52)
リョウブ/りょうぶ/令法
北海道南部、本州、四国及び九州に分布するリョウブ科の落葉樹。
丘陵や山の尾根に自生しますが、若葉が食用となるため、
飢饉に備えて植栽、貯蔵、採取を「令法(りょうぼう)」によって命じたことから、
リョウブと名付けられたとされています。
開花は6~8月で、白い小花が長さ10~20cmの穂状になって咲きます。
小花の直径は1~2cmほど、花には同時期に咲くシナノキやボダイジュに通じる
芳香があるが、一般的な良い香りではなく、いわゆる精臭が混じります。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(51)
アカメガシワ/あかめがしわ/赤芽柏
東南アジアの山地に見られるトウダイグサ科の落葉樹。
日本では北海道を除く各地に見られ、山地の林縁や伐採跡地などの荒れ地に多く、
春の芽吹きが鮮やかな紅色で、葉の形がカシワに似るとしてアカメガシワと命名されたそうです。
若芽と新葉には独特な臭いがあり、柔らかい時季であれば天婦羅やお浸し、
和え物にして食べることができます。
開花は5~7月頃で、小枝の先に小さな花が円錐状に集まります。
雌雄異株ですが雌雄とも花に花弁はなく、2~4つに裂ける萼があります。
雄花には多数の雄しべがあり、全体に黄色っぽく見え、
雌花には黄色あるいはオレンジ色をした虫の触角のような花柱が2~3本でき、
全体的に赤っぽく見えます。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(50)
シャシャンボ/しゃしゃんぼ/小小坊
関東地方南部以西の本州、四国、九州及び沖縄に分布するツツジ科の常緑樹。
開花は5~7月、前年に伸びた上部の葉の付け根から花茎が生じ、
小花がびっしりと並んで下向きに咲きます。
花の後には直径5~6mm程度の果実ができ、9~10月頃になって黒紫色に熟すとブルーベリー同様、
表面に白い粉を吹き、甘酸っぱいこの果実はそのまま生で食べることができ、
昔からサシブと呼んで親しまれています。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(49)
ブッドレア/ぶっどれあ/房藤空木
中国西部を原産とするフサフジウツギ(房藤空木)を原種とした園芸品群の総称。
東アジアのほか、チリなどでも庭木として使われ、日本では川原などに同属のフジウツギ、
コフジウツギ、ウラジロフジウツギが自生します。
花は6月~10月と長く、花には甘い微香があり、様々な虫が集まることから、
英語ではバタフライブッシュ(蝶を呼ぶ木)と呼ばれれています。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(48)
コアジサイ/こあじさい/小紫陽花
関東地方以西の本州、四国及び九州の低山に分布するアジサイの仲間。
山地の林内や林道沿いに見られ、アジサイよりも小さな花が咲くため
コアジサイと名付けられました。
花には園芸品種のアジサイに見られるような装飾花はないものの、アジサイにない
甘い香りを放つことや、アジサイほど大きくならないことから庭木として使われています。
開花は6~7月、花色は薄い青紫色ですが、色の濃淡には個体差があり、派手な装飾がない分、
梅雨のジメジメした時期に涼しげな印象を与えています。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(47)
ハマナス/はまなす/浜梨
北海道、茨城県以北の太平洋岸、山陰地方以東の日本海岸に自生するバラ科の低木。
寒冷地に使える貴重な花木として特に北海道で普及しています。
海岸地に群生する様子が美しく、本来は狭い庭に使うような樹種ではありませんが、
庭木や鉢植え、公園の植栽などに使われています。
花期は5~8月、日本の野生バラとしては大きな直径5~8cmの花が枝先に咲き、
5枚ある花弁は紅色または紅紫色で、花には強い香りがあり、
ライラックやニセアカシア同様、香水に使われています。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(46)
クチナシ/くちなし/梔子
静岡県及び福井県より西の本州、四国、九州及び沖縄に自生するアカネ科クチナシ属の低木。
花はジャスミンに似た甘い香りを放ち、キンモクセイやジンチョウゲと共に
三大芳香木とされ、自生地以外でも庭木や切り花に使われています。
開花は6~7月で、枝先に一輪ずつ咲き、咲き始めの夕方は純白で、
翌朝にはクリーム色となり、落下前には黄褐色に変化していきます。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(45)
スイカズラ/すいかずら/吸葛
北海道の北部を除いた日本全土に分布するスイカズラ科の蔓性植物。
山野や道端で普通に見られ、他の樹木に絡まりながら育ちます。
5月~7月にかけて咲く花は長さ3~cmほどで、枝先の葉の脇に二輪ずつ並んで咲きます。
スイカズラの花は芳香が強く、遠くからでもその存在を感じ取ることができるます。
花の香りは昼よりも夜間の方が強く、虫がよく集まり、乾燥させた花は「金銀花」、
乾燥させた蔓や葉は「忍冬」として民間療法に使われています。
。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(44)
タイサンボク/たいさんぼく/泰山木
アメリカ南部(ノースカロライナ州~テキサス州)を原産とするモクレン科の常緑高木。
雄大な樹形と大きな純白の花を観賞する為、各地の公園や庭園、街路に植栽されています。
開花は5月~7月、直径10~25cmの花が、花の少ない梅雨の晴れ間に咲くため、
遠くからは目立ちますが、たいていは高い場所にあって観察しにくです。、
一輪あたりの寿命は1~2日と短く、花には万人受けするような芳香があり、
咲き始めは特に香りが強いです。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(43)
ウケザキオオヤマレンゲ
中国原産とされるモクレン科の落葉高木。
初夏に咲くクリーム色の花は香りが高く、古くから玉水(ギョクスイ)と呼んで親しまれています。
開花は5~6月で、枝先にオオヤマレンゲよりも一回り大きい、直径12~15cmの花を咲かせます。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(42)
オオヤマレンゲ/おおやまれんげ/大山蓮華
本州(新潟及び郡馬県以西)、四国、九州の山地に分布するモクレン科の落葉低木。
別名をミヤマレンゲといい、深い山の広葉樹林地に自生します。
オオヤマレンゲの開花は5~7月。
枝先に長い柄を出し、直径8~10cmの白い花が下向き又は横向きに咲きます。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(41)
ホオノキ/ほおのき/朴の木
北海道~九州に分布するモクレン科の落葉樹。
花、葉、実のすべてが大型で、自然界では幹の直径が1m近くに達するため
元来は庭木としての利用は少なかったものの、端整な樹姿が好まれ、
観賞用として公園や街路に植栽されることもあります。
ホオノキの開花は5~6月、直径15~20cmの杯形で、咲き始めは白く、
日が経つとクリーム色になります。
ハクモクレン、コブシ、タイサンボクの仲間であり、
開花期にはそれらと同様の甘い香りがあり、特に夜は香りが強いです。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(40)
レモン/れもん/檸檬
インド北部(ヒマラヤ山麓)を原産とするミカン科の常緑高木。
ビタミンCを豊富に含む果実が滋養強壮の薬用として広まり、
現代では料理、飲料、香料、化粧品の原料などに欠かせない柑橘類の一つとなっています。
レモンのは開花は5月がピークですが、いわゆる四季咲き性であり、
栽培に適した環境であれば5~10月の間に開花と結実を繰り返します。
花は葉の横に1~2輪ずつ咲き、5枚の肉厚な花弁は表が白く、裏面は赤紫色を帯び、
花には雌しべと雄しべがあり、ミツバチなどが行き来することによって受粉します。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(39)
ライム/らいむ
インド北東部(ヒマラヤ地方)を原産とするミカン科の常緑低木。
ライムの開花は5~10月、四季咲き性で、年に3回も咲くことがあります。
果実は球形で、先端はやや尖り、表面の凹凸は少なく、果皮が薄いために
手で剥きにくいですが、果肉は柔らかで果汁が多く、レモンよりも青い色合いになります。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(38)
ナツミカン/なつみかん/夏蜜柑
日本で栽培されるミカン科ミカン属の常緑樹。
ナツミカンの開花は5~6月、枝先近くの葉の付け根に直径3センチほどの白い五弁花が咲きます。
果実が色付き始めるのは開花した年の晩秋ですが、その時期は酸味が強過ぎるため生食に向かず、
生食の旬は酸味が弱まる開花翌年の4~6月頃です。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(37)
タチバナ/たちばな/橘
伊豆半島以西の本州、四国、九州及び沖縄に分布するミカン科の常緑樹。
日本に自生する唯一の野生ミカンで、奈良、平安時代には普通に自生していましたが、
現代では海岸沿いの山地や樹林内に細々と生き残っています。
野生のタチバナは環境省の定める絶滅危惧Ⅱ類に指定されており、
大規模のタチバナ群落がある高知県室戸市(旧安芸郡)の室戸岬亜熱帯性樹林や
同県土佐市の甲原松尾山は国の天然記念物となっています。
タチバナは常緑樹であり、一年を通じて葉が緑色であることや、黄色い果実が比較的長い間、
枝に残ることなどから繁栄を象徴する縁起の良い木とされています。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(36)
ニオイシュロラン/においしゅろらん
ニュージーランドを原産とするキジカクシ科センネンボク属の常緑小高木。
明治初期に渡来し、芝庭や洋風庭園に利用され花が香り、葉がランに、
樹形がシュロに似ることからニオイシュロランと名付けられたそうです。
一年中、変化がないように見えますが、5~6月に開花します。
花は直径6~7ミリほどの白い小花で、高い位置に咲くため観賞しづらいですが、
小花は釣鐘型で、強い芳香があります。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(35)
トベラ/とべら/海桐
岩手県以南の太平洋岸、新潟県以南の日本海岸、四国、九州及び沖縄に分布するトベラ科トベラ属の常緑低木。
トベラの開花は4~6月、雌雄異株で雄木には雄花を、雌木には雌花を咲かせます。
花はその年に伸びた枝先に咲き、白から黄色に変化するという特徴を持ち微香もありますが、
花を楽しむために積極的に植えられるような木ではなく、性質が丈夫であることから、
道路沿いの緑化に使われることが多いです。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(34)
シャリンバイ/しゃりんばい/車輪梅
東北地方南部以西の本州、四国、九州及び沖縄に分布するバラ科の常緑樹。
潮風や大気汚染に強い性質を持ち、街路樹や公園樹として利用されることが多いです。
花がウメに似る事、枝葉が車輪状に生じることからシャリンバイ(車輪梅)と命名されたそうで、
開花は3~5月頃、白い五弁花が円錐状に集まって枝先に咲き、微香を放ちます。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(33)
ミツバウツギ/みつばうつぎ/三葉空木
北海道から九州まで広い範囲の山林に分布するミツバウツギ科の落葉樹。
初夏に咲く花がウツギに似る事、葉が3枚で構成される事からミツバウツギと命名されましたが、
ウツギの仲間ではありません。
ミツバウツギの開花は5~6月で、その年に伸びた枝先に、長さ7~8ミリほどの小さな花が
円錐状に集まってぶら下がります。
花には直立した5枚の白い花弁があり、微香があります。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(32)
バイカウツギ/ばいかうつぎ/梅花空木バイカウツギ/ばいかうつぎ/梅花空木
本州、四国及び九州に分布するウツギの近縁種で山野の林内に自生する。
茎が中空で、ウメに似た雰囲気の花が咲くためバイカウツギと名付けられたそうです。
原産地は日本の南部で別名をサツマウツギ(薩摩空木)と呼びます。
開花はアジサイと同じ5~6月頃で、花には微香があります。
バイカウツギは100年以上前にヨーロッパへ渡り、当地で品種改良され、
園芸用として流通するセイヨウバイカウツギは南ヨーロッパや西南アジアを原産とする
モックオレンジやアメリカ原産のバイカウツギを総称したもので、
バイカウツギよりも大きく、香りの強い花が咲きます。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(31)
ガクウツギ/がくうつぎ/額空木
関東以西の本州、四国及び九州の太平洋側に分布するアジサイ科の落葉低木。
日本固有の木で主に山地の林内に見られますが、初夏に咲く花を観賞するため、
庭木や切花にも利用されます。
木全体の雰囲気がウツギに似ている為、ガクウツギと呼ばれていますが、
分類上はアジサイの仲間で、花はアジサイやヤマボウシと同じように
人目を惹く大きな萼(装飾花)と小さな両性花からなります。
開花は5~6月で花を取り巻く萼片の数はアジサイやガクアジサイよりも少ない、
また樹形はウツギに似ていますが、成長した茎の内部は白い髄が詰まっており、「空木」にはなりません。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(30)
ニセアカシア/にせあかしあ/針槐
北アメリカを原産とするマメ科の落葉広葉樹。
単にアカシアと呼ばれることも多く、正式名称はハリエンジュです。
エンジュに似た葉を持ち、枝や幹にトゲがあることに由来し、涼しげな葉の様子や
初夏に咲く花が好まれ、街路や公園に使われています
花はとても甘い香りがあり、街路樹やハチミツの原料として盛んに利用されます。
一方、切り株からの萌芽力が強く、埋土種子は何年も経ってから発芽する等、
根絶が難しい驚異的な外来種でもあります。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(29)
カラタネオガタマ/からたねおがたま/唐種招霊
中国南部(福建省及び広東省)を原産とするモクレン科の常緑樹。
日本へ渡来したのは江戸時代中期~明治初期で、木に咲く花としては有数の芳香があり、
園芸品種であるポートワインは庭木としての人気が高いです。
カラタネオガタマの開花は5月~6月で花の直径は2~4センチほど、色はクリーム色ですが
フチは紅色で、その内側には紅紫のボカシが入り、花には熟したバナナに似た香りがあります。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(28)
ライラック/らいらっく
ヨーロッパ東南部及びアフガニスタンを原産とするモクセイ科の落葉樹。
春に咲く花に強い香りがあり、庭木や公園に植栽され、香料の原料になります。
ライラックの開花は4~5月で、枝先にある葉の脇から伸びる長さ10cm~20cmの花茎に、
小花を円錐状に密生させ咲きます。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(27)
フジ/ふじ/藤
本州、四国及び九州の山野で普通に見られるマメ科フジ属のつる性植物。
自生のフジは林縁や林内で他の木や岩に絡みついて育ちますが、
庭に用いる場合は「藤棚」を作り、花を密集させて鑑賞することが多いです。
開花は4~6月で、30cm~90cmほどの花房が垂れ下がります。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(26)
カラタチ/からたち/枳殻
中国北部あるいは中部を原産地とするミカンの仲間。
日本には似た花を咲かせるタチバナが古くから自生しており、中国(古い名を唐という)から、
来た本種を「唐橘(カラタチ)」と名付けたそうです。
開花は4~5月で、白い花弁と萼が5枚あり、1本の雌しべを20本の雄しべが囲んでいる。
花の直径は3~5cmで甘い香りがある。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(25)
ミヤマシキミ/みやましきみ/深山樒
関東地方以西の本州~九州の山地に分布するミカン科の常緑樹。
シキミと似た葉を持ち、同じような環境に育つためミヤマシキミと名付けられたそうです。
開花は4~5月で、直径1cm程の小さな白い四弁花が円錐状に集まって枝先に咲きます。
ミヤマシキミは雌雄異株で、雄株に咲く雄花は雌しべがなく、4本の雄しべがあります。
花の香りは、雄花の方がよく匂い、朝よりも夕方の方が強く香ります。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(24)
アケビ/あけび/木通
本州、四国及び九州に分布するアケビ科の蔓性植物。
身近な低山や郊外の道端にも自生し、かつては生活に密着した植物で、秋にできる果実や若芽を食用とし、
丈夫な蔓で籠を編むなど、実用目的に育てられました。
開花は4~5月新葉と共に花軸を出し、淡い紫色をした花を下向きに咲かせます。
花に花弁はなく、雌花には3~9本の雌しべがあり、この多くが後に果実になります。
花に派手さはありませんが、野趣があり、茶花、生け花、盆栽に使われます。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(23)
アーモンド/あーもんど
西アジアを原産とするバラ科の落葉樹。
種子はナッツとなり、世界各地で栽培されていますが、あまり知られていないのが、春に咲く花で
この花に観賞価値がある為、実用もかね庭木として使われる事が増えてきました。
開花はモモと同じ3~4月上旬、咲き始めの花は花弁の縁のピンク色が目立ちますが、
開花が進むにつれて全体に淡いピンク色となります。
熟した果実は自然に開き、茶褐色の塊となった種子が現れ、長い間、枝に残ります。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(22)
オオシマザクラ/おおしまざくら/大島桜
大島を含む伊豆七島、伊豆半島、三浦半島及び房総半島を原産とするバラ科サクラ属の落葉高木。
開花は3~4月、葉と一緒に咲く為、遠目から見ると木全体が黄緑色に見え、
花には芳香があります。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(21)
オガタマノキ/おがたまのき/小賀玉木
本州南部(関東以西)からフィリピンにかけて分布するモクレン科の常緑樹。
日本に見られるモクレンの仲間では唯一の常緑樹で、暖地の海辺に近い山林に育ちます。
枝葉には微香があり、葉から香料を採取し、これを焚いた為
「大師香(ダイシコウ)」という別名があります。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(20)
ミケリア/みけりあ
中国を原産地とするモクレン科の常緑広葉樹。
早春に咲く白い花には、コブシやモクレンと似たような芳香がありますが、
ミケリアはそれらと異なる常緑樹で、性質はオガタマノキやカラタネオガタマに近いです。
ミケリアという名前はスイスの植物学者「ミケーリ」にちなみ、
現在、普及している品種には
「マウダイエ(深山含笑)」や「プラティペテラ(闊瓣白蘭花)」があり、
それぞれ「ミケリア・マウダイエ」などと呼ばれる。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(19)
シデコブシ/しでこぶし/幣辛夷
愛知県、岐阜県及び三重県の一部地域に分布するコブシやモクレンの仲間。
通常は花びらが12~18枚ほどあり、開花は3~4月で新葉の展開に先立ちます。
花には微香があり、色は白が普通だが個体差が見られ、薄紅色のものもあります。
可憐なわりに控えめであるため、茶庭から洋風庭園まで幅広く使われています。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(18)
モクレン/もくれん/木蓮
中国の中部~南東部を原産とするモクレン科の落葉樹。
平安時代後期に渡来し、観賞用として寺院などに植栽されるようになり、
花には圧倒的な存在感と気品があり、現代でも庭園や公園で普通に見られるようになりました。
開花は3~4月でハクモクレンより半月ほど早く、蕾はどれも南側から膨らみ、
同じ方向を向いて並びます。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(17)
ハクモクレン/はくもくれん/白木蓮
クモクレンとは】
中国の中南東部を原産とするモクレン科の落葉広葉樹。
江戸時代以前に渡来し、現代では街路樹や庭木として多数植栽されています。
ハクモクレンの開花は新葉が出る前の3月~4月で、モクレンよりは半月ほど早く、
コブシと同じ時期に同じような白い花を咲かせるため混同されますが、
ハクモクレンの花は長さ2.5cmほどでコブシよりも一回り大きく、
またコブシは花の直下に葉が1枚ありますが、ハナモクレンにはそれがありません。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(16)
コブシ/こぶし/辛夷
北海道から九州まで日本全国の山林や日の当たる原野に自生するモクレン科の落葉広葉樹。
早春に白い花を咲かせ、葉も大きく木陰を作りやすいため、街路樹や公園樹としての利用も多いです。
開花は3月下旬~4月上旬で、花にはレモンのような香りがあり、蕾と共に花酒や花茶に使われます。
また、乾燥させた蕾は漢方で、副鼻腔炎や鼻炎の緩和、鎮痛剤として使われています。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(15)
ゴモジュ/ごもじゅ/胡麻樹
沖縄及び奄美大島を原産とする常緑低木。
3~4月頃に円錐状の花が咲き、秋にできる紅色の実も美しく、鉢植えや盆栽として鑑賞されています。
かつては庭木としての利用は中国地方に限られていましたが、温暖化とともにその他の地域でも
使われるようになってきました。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(14)
ジンチョウゲ/じんちょうげ/沈丁花
中国本土南部及び台湾中北部を原産とするジンチョウゲ科の常緑低木。
花の姿は地味ですが、上品な甘い香りを放って春の訪れを告げます。
クチナシ、キンモクセイと共に「三大香木」とされ庭木、公園樹など鉢植えとして親しまれています。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(13)
ウチワノキ/うちわのき/団扇の木
朝鮮半島を原産とする1属1種の低木で、昭和初期に日本へ渡来しました。
地味な低木で普段はあまり目立ちませんが、2月から4月にかけてレンギョウに似たような
白い花を咲かせます。
咲き始めの花は薄紅色で次第に白へと変化します。
実の形が団扇に似ていることからウチワノキと名付けられましたが、
白花レンギョウとして流通していることも多いです。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(12)
ミツマタ/みつまた/三椏
中国の雲南地方やヒマラヤ地方を原産とするジンチョウゲの仲間。
花は筒状の小花30~50個からなり、外側の小花から順に咲き、咲き始めは蜂の巣のように下向ですが
咲き進むにつれて全体がボール状になります。
ミツマタの漢名は「黄瑞香(おうずいこう)」と言い、ジンチョウゲに似た黄色い花が咲き、
ジンチョウゲ同様に優しい芳香を放ちますが、全草にクマリン配糖体という有毒成分を含み、
誤食すると腹痛、下痢、胃炎、血便などの症状を引き起こすので注意して下さい。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(11)
ウメ/うめ/梅
中国の江南地方を原産とするバラ科の落葉小高木。
早春に咲く花は、お花見としてサクラより長い歴史を持ち、奈良時代以前に「花」と言えば ウメを意味し、
日本で最も親しまれる果樹で、梅干しや梅酒として広く実用されています。
ウメの寿命が長く、古木でも力強く芽吹く事や、肌寒い早春に開花する事などから慶事の象徴とされ、
マツ、タケと共に「歳寒三友」、そして菊、蘭、竹とともに「四君子」と呼ばれています。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(10)
サルココッカ/さるここっか
ヒマラヤ地方(インド東北部、ネパールなど)、中国南部及び東南アジアの各地を原産とする
ツゲ科の常緑低木。
花の少ない2~3月に咲く事、開花期間が長い事、そしてキンモクセイ、ジンチョウゲ、クチナシ
などと同じように、花に強い香りがある事から、
近年、日本でもビルの植栽や洋風庭園の縁取りなどに使われる機会が増えてきました。
また、花は他の香木より観賞価値が乏しいですが、葉の様子は他を凌ぐほど美しいです。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(9)
ロウバイ/ろうばい/蝋梅
【ロウバイとは】
中国を原産とするロウバイ科の落葉低木。
江戸時代初期に朝鮮半島を経由して日本へ渡来し庭木や公園樹として使われています。
ロウバイの開花は11~1月で、厳冬期の庭を彩る貴重な花木であり、蝋細工のような黄色い花は
人工的な質感で、好みは分かれるものの大変に香りが強く、年末年始を彩る切花としても人気があります。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(8)
ビワ/びわ/枇杷
関東以西の本州、四国及び九州の暖地に分布するバラ科の常緑広葉樹。
ビワの開花は11月~1月、花は直径1cm程で多数が円錐状に集まって芳香を放ちます。
果樹の中で最も花が遅く、寒さを防ぐ為、蕾や花柄は淡い褐色の毛に覆われ、個々の開花をずらす事で、
寒害による全滅を防いでいます。
花が少ない時季である為、ハチやアブなど多くの昆虫やメジロなどの小鳥が花蜜を吸いに集まります。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(7)
サザンカ/さざんか/山茶花
山口県以南の各地に自生するツバキ科の常緑樹。
日本特産の花木であり、暖地の林内や林縁に自生します。
花はツバキに似ており、同じように蜜を吸いにメジロや蟻がやって来ますが、
サザンカには微かな甘い香りがあり、それぞれの花弁が分離するようにほぼ全開します。
多数ある雄しべはツバキのような筒状にならず、付け根だけでつながっている為、
花が終わるとバラバラに落下する点も、花が丸ごと落ちるツバキとは異なります。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(6)
ヒイラギ/ひいらぎ/柊
福島県以南の本州、四国、九州及び沖縄に分布するモクセイ科モクセイ属の常緑樹。
雌雄異株で、晩秋(11~12月)にはギンモクセイに似た白い小さな花が葉の付け根に集まって咲きますが、
花の先は、直径5mmほどと小さく、葉陰に埋もれるように咲く為余り目立たません。
この花には香水のような良質の香りがあります。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(5)
ナワシログミ/なわしろぐみ/苗代茱萸
中部地方及び伊豆半島以西の本州、四国、九州に分布するグミ科の常緑低木。
苗代を作る時期(5月~6月)に果実が熟すことからナワシログミと呼ばれています。
開花は秋(10月~11月)で葉の脇に淡い黄褐色の花が数輪ずつ咲きます。
あまり目立たないものの、強い芳香があり、開花期はその香りが庭じゅうを覆うほどになります。
常緑で剪定に耐え、成長の強い枝にはトゲがある事から農家などの垣根に使われることが多いです。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(4)
ウスギモクセイ/うすぎもくせい/薄黄木犀
中国及びインドを原産地とするモクセイ属の常緑樹で、ギンモクセイの変種とされる。
一般的には庭木として流通している物が西日本を中心に植栽されています。
見た目はほぼギンモクセイやキンモクセイと変わりませんが、花の色は両者の中間のような、
薄いクリーム色で、キンモクセイよりもやや大きく花柄が長いですが、香りは劣ります。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(3)
ヒイラギモクセイ/ひいらぎもくせい/柊木犀
モクセイ科の常緑樹でギンモクセイとヒイラギの交雑種(中間種)。
日陰でも育ち、剪定によって形を整えやすいことから、主に生垣用として公園や庭園に植栽されます。
剪定され続ける事が多く、都市部では花を見る機会が少ないですが、放任気味に育てれば花は咲きます。
開花はキンモクセイやギンモクセイと同じ9~10月頃で、晩秋に咲くヒイラギよりは早いです。
花はその年に伸びた葉の付け根や枝先に咲き、ほぼギンモクセイと変わりませんが、
直径はやや大きく8mm程で、花の先端は四つに裂け、雄しべと退化した雌しべがあり、
日本では雄株が中心の為、種子はできません。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(2)
ギンモクセイ/ぎんもくせい/銀木犀
銀木犀は同じモクセイ科の金木犀(キンモクセイ)と比べると見かけることは少ないようです。
同じ時期に開花する香りの強い金木犀の印象が強く、銀木犀はあまり記憶に残らないのかもしれませんが、
造園業界等において単に「モクセイ」という場合、キンモクセイではなく本種を示すことが多く、
それほど珍しい庭木ではありません。
銀木犀と金木犀の一番の違いは香りです。
金木犀は香りでその存在に気づくくらいの圧倒的な芳香を周囲に放ち、
金木犀の香りで秋が来たことを実感する方も多いのではないでしょうか。
対して銀木犀の香りは淡くほのかに香る程度で香りは似ていますが、
鼻を近づけて確認しなければわからないくらいです。
- 花の香りがよい庭木を教えて下さい(1)
キンモクセイ/きんもくせい/金木犀
花の香りはギンモクセイよりも強く、中国ではキンモクセイの花を漬け込んだ「桂花陳酒」や
「桂花茶」を作って香りを楽しむ習慣があります。
花の寿命は短く開花期間は7~10日ほどで、パラパラと落花しやすい為生け花の花材などには不向きです。
匂う花として日本では、ジンチョウゲ、クチナシと共に三香木とされてます。
- 黄色い花が咲く木を教えて下さい(29)
ロウバイ/ろうばい/蝋梅
中国を原産とするロウバイ科ロウバイ属の落葉低木。
江戸時代初期に朝鮮半島を経由して日本へ渡来し、当初はカラウメ(唐梅)又は、ナンキンウメ(南京梅)
と呼ばれていましたが、後に中国名「蝋梅」を音読みしてロウバイと呼ばれるようになりました。
開花は11~1月、厳冬期の庭を彩る貴重な花木であり、蝋細工のような黄色い花は人工的な質感で、
大変に香りが強く、年末年始を彩る切花としても人気があります。
名前の由来には、蝋細工のような花にウメに似た香りがある事、又は開花が旧暦12月の「蝋月」にあたる
事、及び、花の色が蜜蝋(ミツバチの巣を作る蝋)に似ている事などいろいろな説があります。
半日陰でも木自体は育ちますが、花を楽しむには日照が欠かせません。
成長は早く、樹形は乱れがちで整えにくい、狭い庭で管理するには花の直後に強く剪定するか、
鉢植えで管理するのが良いです。
大事にし過ぎるよりも強めに剪定して短い枝を多くした方が花数が増えます。
- 黄色い花が咲く木を教えて下さい(28)
シロダモ/しろだも/白櫤
東北地方中部(宮城及び山形)以南の本州、四国、九州及び沖縄に分布するクスノキ科シロダモ属の常緑樹。
タブノキと似ていますが、葉裏が白いためシロタブと呼ばれ、それが転訛してシロダモとなったそうです。
シロダモの赤い果実にはムクドリ、ツグミ、ヒヨドリ、シロハラなどの野鳥が集まり、
果肉や種子に含まれる油分は「ツヅ油」と呼ばれ、蝋燭の原料や灯火に使われています。
丈夫な性質で日陰でも育つますが、肥沃な土地を好むため、痩せ地では生育が悪いです。
暖地性の樹木であり、寒さが厳しい北海道や東北地方の北部には植栽できません。
背丈が高くなる事や枝が大きく広がる事から一般家庭には不向きですが、剪定には耐えます。
- 黄色い花が咲く木を教えて下さい(27)
モクゲンジ/もくげんじ
【モクゲンジとは】
中国及び朝鮮半島を主な原産とする落葉樹。
センダンのような葉を持ち、種子が数珠の材料になる事から「センダンバボダイジュ」とも呼ばれます。
7月~8月にかけて黄色い独特の香りがある花が咲き、ミツバチにとっては格好の密源になります。
秋になるとホオズキのような袋状の実をつけ、数珠や首飾りとして加工されています。
また、これを炒めて食用とすることもあるそうです。
育て方のポイントとして、やや寒さに弱いが、日当たりがよく、かつ適度に湿気のある場所を好みます。
苗木は市販していますが、大きくなる事や寺院のイメージにより一般家庭で植栽されることは少ないです。
狭い場所向けには、横幅が広がらない「ファスティギアータ」という種類があります。
- 黄色い花が咲く木を教えて下さい(26)
ビョウヤナギ/びようやなぎ/美容柳
中国を原産とするキンシバイの仲間。
日本の花にはない華美な雰囲気が好まれ、庭園用として広く使われています。
6月~7月にかけて咲く黄色い花が美しく、葉の形や垂れ下がる様子が柳に似ることから、
「美容柳」あるいは「美女柳」と名付けられたそうです。
基本的には丈夫な性質で、生育は容易ですが、乾燥を嫌い温暖な地を好みます。
根元から多くの新芽を伸ばし、株立ち状に育ちますが、剪定は好まず、刈込む事で樹形を乱しやすいです。
- 黄色い花が咲く木を教えて下さい(25)
キンシバイ/きんしばい/金糸梅
中国中南部を原産とするオトギリソウの仲間。
開花期間が長いことや、枝葉が柔らかで和洋どちらの庭にも違和感がなく、庭木の下草として
公園や庭園に植栽されるほか、切り花にも利用されています。
花弁の様子がウメに似て、黄色い雄しべが特徴的である事からキンシバイ(金糸梅)と名付けられました。
キンシバイには主だった幹がなく、細い幹(枝)が株立ち状に乱立します
植栽の適地は東北地方以南で、寒さにやや弱く、寒冷地では落葉します。
土質を選ばずに育ちますが、粘土質かつ肥沃な土地であればなおよいです。
日当たりを好みますが、夏の強い西日は苦手で、午後の日差しが少ない場所がよいでしょう。
枝先の垂れる自然樹形に育てようとすると意外に大きな株になりますので、一般家庭では数年に一度、
根元から切り取って更新するのがベターです。
芽を出す力は強く、剪定によく耐えますが、枝の途中で刈り込むような剪定は好みません、
剪定適期は花の直後です。
- 黄色い花が咲く木を教えて下さい(24)
カラタネオガタマ/からたねおがたま/唐種招霊
中国南部(福建省及び広東省)を原産とするモクレン科の常緑樹。
木に咲く花としては有数の芳香があり、園芸品種であるポートワインは庭木としての人気が高いです。
寒さにやや弱く、特に冬の乾いた寒風を嫌いますので、地植えは関東以南の太平洋側が無難です。
日当たりのよい場所を好むため、建物の南側に植えると良いですが、日陰でも育ち、
半日陰程度なら花も咲きますが、全くの日陰では花付きが悪いです。
土質は選ばないですが、排水性がよく腐植質に富む土壌を好みます。
成長は遅めで、樹形は自然に整いやすく、花が咲く垣根としてはあまり剪定の手間がかからず、
病害虫の被害も少ないですが、風通しや採光が悪くなるとカイガラムシやテッポウムシが発生します。
この為年に一回程度は内部の混み入った枝葉を整理した方が良く、剪定時期は開花直後の6月が適期です。
- 黄色い花が咲く木を教えて下さい(23)
ユリノキ/ゆりのき/百合の木
ユリノキはアメリカ中部及び東部(アパラチア山脈)を原産とするモクレン科の落葉樹。
大きな枝を整然と広げる姿が美しい事から、日本全土に街路樹や公園樹として植栽されています。
ユリノキは直径1m、樹高30mを超す大木にもなりますが、その材は加工しやすく、
楽器、建材、家具の引き出しの内張、ベニヤ板(アメリカホワイトウッドと称する)に利用されています。
日当たりが良く、肥沃な土地を好み、乾燥にはやや弱いです。
病害虫に強いですが、花はカラスをはじめとした鳥獣の被害に遭いやすいです。
街路樹に用いられる事が多いですが、葉の面積が大きいため風に弱いという欠点があり、。
また、大きく育つものの剪定を嫌い、無理な剪定で枝を枯らす事もあります。
本来は広いスペースで伸び伸びと育てたいです。
- 黄色い花が咲く木を教えて下さい(22)
キソケイ/きそけい/黄素馨
ヒマラヤ地方を原産とするモクセイ科の常緑樹。
オウバイの仲間で、初夏に咲く黄色い花を観賞する為、庭木として植栽される他、生け花にも使われます。
寒さに強いと言われていますが、冬の寒風は苦手で、植栽の北限は福島県あたりです。
日当たりのよい場所を好み、半日陰でも育てられます、また水はけの良い場所を好み、土壌は選みません。
弓状の枝葉が放射状に伸びるため、狭い場所では定期的な剪定が必要です。
刈り込みには強いですが、株が大きくなると樹形はまとめにくいです。
- 黄色い花が咲く木を教えて下さい(21)
キンギンボク/きんぎんぼく/金銀木
東北地方以北の日本海側に分布するスイカズラの仲間。
4月~6月にかけて咲く花は、咲き始めの白から次第にクリーム色に変わり、白と黄色が一緒に見られる為、
それを金と銀に見立ててキンギンボクと呼ばれるようになりました。
艶やかな赤い実は猛毒がある為、生食すると、嘔吐、下痢、麻痺を引き起こし、
大量摂取すると命に関わります。
鑑賞用として庭植えする場合は、毒の実が沢山なる為、幼児やペットのいる家庭では注意して下さい。
土質を選ばず丈夫に育ち、剪定にも強いです。
- 黄色い花が咲く木を教えて下さい(20)
ムレスズメ/むれすずめ/群雀
中国北部を原産とする落葉低木で、江戸時代に日本へ渡来した。
桜の花が散るころ、エニシダに似た黄色の花を咲かせ、細い枝に雀が並んでとまっているように
見えることからムレスズメと名付けられたそうです。
咲き始めは黄色ですが、次第に赤みを帯びてきます。
発酵させた根から抽出したエキスはファンデーションなどのスキンケアに使われます。
丈夫な性質を持ち、乾燥地でも湿地でも土質を選ばずに育ちますが、
花を十分に観賞するには肥沃な日向がより良いです。
樹形はまとまりにくく、成長も早いため鉢植えや盆栽としてコンパクトに管理するのが良いです。
地植えの場合、他の庭木の近くに植えると景色が馴染みにくい為、
大木の根元や石の近くに単独で植えるのが良いです。
剪定は株立ちにする場合は、不要な幹を根元から切除し、不用意に広がらないようにします。
秋以降の剪定は花数を減らすため避けて下さい、また4~5年に一度はすべての幹を株元で切除し
更新すると、樹勢を維持できます。
株元から次々に地下茎を出し、それによって横に広がっていくため、株分けをして増やす事もできます。
- 黄色い花が咲く木を教えて下さい(18)
ヤマブキ/やまぶき/山吹
北海道から九州まで日本全国に分布するバラ科の落葉性の低木。
低山の水辺など湿気を好み、時に群生します。
「山吹色」の語源となった花で、春になると枝に沿って画像のような深みのある黄色い花を咲かせます。
丈夫で育てやすく、植栽場所さえ選べば、特別の管理は必要としませんが、
稀に枝枯れ病にかかる事があります。
湿気を好み、西日や乾燥に弱く、日当たりの悪い場所では花つきが悪いです。
地下茎を伸ばして増える為、邪魔になった場合、適度に根元から切り除いて下さい。
根は広く浅く張るため、容易に引き抜く事も可能です。
- 黄色い花が咲く木を教えて下さい(17)
シロモジ/しろもじ/白文字
本州中南部~九州の山地に自生するクスノキ科の落葉低木。
幹に黒い文字のように見える斑点のあるクロモジに対し、本種では白い斑点が見られるため、
シロモジと名付けられたそうです。
クロモジの枝は香りが高く、高級な和菓子の爪楊枝に使われますが、シロモジの枝は香りが弱いため、
そうした使用例はほとんどありません。
日当たりを好み、土質は選びません、また自然樹形を楽しむ木であり、野趣を損なわないためにも手入れは
最低限度にとどめて下さい、刈り込みや強い剪定は観賞価値を損います。
株立ち状に育つのが基本であり、不要な枝は株元で切除すると美観を損ねません。
- 黄色い花が咲く木を教えて下さい(16)
アブラチャン/あぶらちゃん/油瀝青
本州、四国及び九州の各地に分布するクスノキ科クロモジ属の落葉低木。
湿気のある山間の樹林で普通に見られますが、株立ち状に育つ事や、あまり背丈が高くならない事から、
雑木の庭に好んで使われる。
多くは株立ち状に育ち、一本あたりの幹はそれほど太くならない為、狭い庭でも圧迫感がありません。
日当たりを好むほかは、丈夫で育てやすく、あまり土質を選ばなく病害虫にも比較的強いです。
- 黄色い花が咲く木を教えて下さい(15)
シダレヤナギ/しだれやなぎ/枝垂柳
中国中南部を原産とするヤナギ科の落葉高木。
新緑の美しさや柔らかな枝ぶりを観賞するため、古くから街路や庭園に植栽され、
特に水辺の景を演出する際に使われることが多いです。
シダレヤナギの開花は3~4月でネコヤナギやバッコヤナギに比べると小さくて目立ちませんが、
新葉の展開と同時に尾状の黄色い花が枝に垂れ下がって咲きます。
耐寒性と耐暑性があり全国で栽培でき、代表的な陽樹(=光を好む木)で日照が不可欠です。
湿った場所を好みますが、乾燥地にも耐え、環境への適応力は高いです。
病害虫に強くテッポウムシ、ハムシ、カミキリムシ、うどん粉病などの被害に遭う事もあり、
また、大気汚染の激しい都市部では夏季に葉を落とす事があり、一般的に寿命は短いです。
成長が早く大木となりやすいですが、樹形次第では一般家庭でも管理できます。
剪定にはかなり耐え、棒状に切断しても再生する程で、剪定の適期は冬から春ですが、
芽出す力が強く、ほぼ一年中可能です。
根の張りが浅く、台風などの強風で倒れやすいため、植栽後は支柱を添えた方が良いです。
ちなみに倒れたものを放置していても育ち続けるほど性質は強いです。
- 黄色い花が咲く木を教えて下さい(14)
キブシ/きぶし/木五倍子
北海道西南部、本州、四国、九州及び小笠原諸島や沖縄に分布する落葉樹。
早春、他の花木に先立って咲く黄色いブドウのような花が幻想的な風景を作り、
主に雑木の庭に使われます。
幹は株立ち状になり、直径はそれほど太くなく、材は楊枝、木栓や吞み口(樽の栓)に利用しています。
半日陰でも育つ丈夫な花木であり、樹勢は強く、自然界では湿気のある場所を好んで育ちますが、
庭植えの場合、特に土質は選ばず、移植にも強いです。
狭い庭で管理するには、冬の間に元気すぎる枝を間引いて下さい。
テッポウムシ及びコウモリガの被害があるため、見付け次第、駆除して下さい。
- 黄色い花が咲く木を教えて下さい(13)
レンギョウ/れんぎょう/連翹
中国を原産とするモクセイ科の落葉低木。
丈夫な性質を持ち、公園や道路の植え込み、寄せ植えの花木として広く使われています。
花の後にできる堅い実を煎じた果実は漢方薬の「連翹」として利尿、解毒、消炎等に効果があります。
病害虫、大気汚染に強く、日向を好み土質を選びません。
また剪定に強く、切った枝を地面に挿すと簡単に増やせます。
成長が早く、放置すると樹形が乱れやすいので、注意して下さい。
- 黄色い花が咲く木を教えて下さい(12)
ヒュウガミズキ/ひゅうがみずき/日向水木
近畿北部及び北陸の日本海岸沿いを原産とするマンサク科の落葉低木。
自生は少ないですが、可憐で美しい花や秋の黄葉に観賞価値がある為庭園等に栽培品が植栽されています。
樹皮は灰色で中心となる幹はなく、株立ち状に育ち、細かな枝がジグザグに伸びてよく分岐するため、
たくさんの花を楽しむことができます。
本来は自然な樹形を楽しむべき樹種ですが、刈り込みに強いため樹形を整えることも出来ます。
成長が早いため、大株になりやすいですが、高さを抑えて他の樹木の下に植えるのが普通です。
日向であれば土質を選ばず、しかし、日陰では花つきが悪いです。
山地の岩場など環境の厳しい場所にも自生し乾燥や寒さに強い為、北海道でも南部であれば植栽できます。
病害虫や潮風にも強いです。
- 黄色い花が咲く木を教えて下さい(10)
ダンコウバイ/だんこうばい/壇香梅
日本全国の山地に野生する落葉低木。
枝を折ると香りがあり、クロモジと同様に枝が楊枝の材料になることで知られる樹木です。
早春になると葉に先立って微香のある黄色い花を咲かせます。
自生地は日向の傾斜地や山地の水辺が多いですが、日陰にも強いです。
枝がまばらであり、元来は庭園に使うような木ではないのですが、花と黄葉が美しい為
庭園でも使われるようになりました。
しっかりと剪定するよりは自然な枝振りを鑑賞して下さい。
- 黄色い花が咲く木を教えて下さい(9)
ヒイラギナンテン/ひいらぎなんてん/柊南天
メギ科の常緑低木。
葉の雰囲気はナンテンに似て、葉の縁にトゲがある事からヒイラギナンテンと命名されたそうです。
早春に小型の黄色い花を咲かせ、初夏には球形の実をつけ始め、秋にはブルーベリーのように
黒紫色に熟し、表面には白い粉を吹きます。
日陰に強く、日向でも育ちますが、日差しが強すぎると葉の色が薄くなる為、むしろ直射日光は避けた
方が良いですが、美しい紅葉を楽しめるのであれば、日陰は避けて下さい、また病害虫に強いです。
- 黄色い花が咲く木を教えて下さい(8)
トサミズキ/とさみずき/土佐水木
主に土佐(高知県)の山地に自生するマンサク科の落葉樹。
枝を切ると水気が多い事と、落葉高木のミズキに葉が似ることから名付けられました。
枝が弓なりに屈曲し、雑木の庭や芝庭など木々の合間に植えると野趣に富んだ雰囲気を作る事が出来ます。
土質を選ばず、石灰岩質を好み、半日陰でも育てられます。
病害虫に強いですが寒さに弱く、芽を出す力はありますが、枝数は少ないので、あまり剪定は好みません。
- 黄色い花が咲く木を教えて下さい(7)
ミツマタ/みつまた/三椏
中国の雲南地方やヒマラヤ地方を原産とするジンチョウゲの仲間。
丈夫な樹皮の繊維を製紙に使う為、古い時代に渡来し、畑で栽培されていたものが野生化したそうです。
開花は葉が出る前の2~4月、前年の落葉期に葉の脇に蕾ができ、蕾から花が落ちるまでの期間は長く、
花は筒状の小花30~50個からなり、外側の小花から順に咲きます。
ミツマタの漢名は「黄瑞香(おうずいこう)」で、ジンチョウゲに似た黄色い花が咲く事を意味し、
ジンチョウゲ同様に優しい芳香がありますが、全草にクマリン配糖体という有毒成分を含み、
誤食すると腹痛、下痢、胃炎、血便などの症状を引き起こすので注意して下さい。
排水の良い土壌を好み、植栽は日向から半日陰で、夏の西日や冬の寒風が当たらない場所が良いです。
枝は規則的に伸びるので剪定の必要はあまりなく、手のかからない庭木と言えます。
病害虫の被害はほとんどないですが、大株になるとテッポウムシの被害に遭うことがあります。
- 黄色い花が咲く木を教えて下さい(6)
サンシュユ/さんしゅゆ/山茱萸
朝鮮半島(及び中国)を原産とするミズキ科の落葉樹。
享保7年(1722年)に薬用として輸入し、小石川植物園に植栽されたものが後に庭木として広まりました。
開花は2~3月で、葉の展開に先立ち、小さな花が20~30輪ほど集まって咲きます。
秋に熟す赤い果実はビタミンCが豊富に含まれ、甘酸っぱく、漢方や民間療法では強壮の作用があり、
冷え症、不眠、低血圧等に効果があるとされています。
リョウブのように剥がれ落ちる樹皮が特徴的であり、花や実がない時季でも観賞価値があるため、
公園や庭に好んで植えられます。
花を充分に楽しむ為には日向が良いですが、非常に丈夫な木なので、植え場所を選びません。
剪定にも耐え本来は株立ち状の自然樹形が美しい為、枝を大きく広げるように育てて下さい。
また、この為、他の植木と枝が当たらないように植えるのが良く、相当なスペースが必要になります。
- 黄色い花が咲く木を教えて下さい(5)
ギンヨウアカシア/ぎんようあかしあ/銀葉金合歓
オーストラリア南東部を原産とするマメ科の常緑樹。
開花は2~3月で、枝先に長さ8~10cmの花序ができ、直径4mm程の黄色い小花が集まり垂れ下がります。
花は長い雄しべからなるボール状ですが、ごく小さな花弁と1本の雌しべが隠れています。
アカシア類の中では寒さに強いですが、関東北部より北では屋外での越冬は難しいようです。
土質は選びませんが、軽い土よりも粘土質の土に植えた方がしっかり活着し、寒さ対策にもなります。
幹や枝が軟弱で風に弱いため、植栽直後は支柱を使って下さい、また、強風で枝が折れやすい為、
風があまり当たらない場所に植えた方がよいでしょう。
風で転倒するのを防ぐ為、花の後は剪定し、できるだけコンパクトにまとめ、切口が塞ぐりにくい為、
剪定後はトップジンなどを塗布して下さい。
日当たりの良い場所を好み、日陰では花付きが悪く、また肥料を吸い上げる力が強く、窒素過多
になると枝葉ばかりが繁茂して花が咲かなくなる為、肥料は窒素分の少ないものを与えて下さい。
病害虫には強いですが、時々テッポウムシが幹に入りますので注意して下さい。
- 黄色い花が咲く木を教えて下さい(4)
オウバイ/おうばい/黄梅
中国を原産地とするモクセイ科ソケイ属の落葉低木。
開花は葉が出る前の2~4月頃で、ウメは5枚の花弁が独立する「離弁花」で多数の雄しべが目立ちますが、
オウバイは6枚の花弁が根元で合着している「合弁花」であり、雄しべは2本しかありません。
花の直径は2~2.5cmで、横から見ると長い筒状で、ウメの花とは全く異なることが判ります、
またオウバイの花にはウメの花のような香りもありません。
日向を好み、日陰では生育、花つきが悪いですが、比較的土質を選ばず、どこでも育てやすいです。
刈込みに強いですが、枝や花が下垂する姿を観賞するのが自然で、植栽には相応のスペースが必要です。
また、花が咲くのは前年に伸びた枝であり、秋~冬に剪定すると花数が少なくなるので注意して下さい。
- 黄色い花が咲く木を教えて下さい(3)
マンサク/まんさく/万作
本州、四国及び九州に自生するマンサク科の落葉小高木。
早春、他の花に先駆けて「まず咲く」ことからマンサクという説や、枝いっぱいに花を付ける事から
マンサクとする説、花の様子が豊作を祈って踊る姿に似ているためマンサクとする説などありますが
花のない時季に際立った黄色い花を咲かせる縁起がよい植木で、豊作に通じると言われています。
剪定を余り必要とせず、維持管理しやすいですが、環境によっては鬱蒼とするほど生い茂りますので
狭い場所に適応させるために剪定をして下さい。
また、半日陰にも耐えますが、西日は苦手です。
- 黄色い花が咲く木を教えて下さい(2)
シロダモ/しろだも/白櫤
東北地方中部(宮城・山形)以南の本州、四国、九州及び沖縄に分布するクスノキ科シロダモ属の常緑樹。
山野や道端の藪で普通に良く見る木ですが、赤い実に観賞価値があるとして神社仏閣を中心に自生のものを
庭木として用いる事があります。
丈夫な性質で日陰でも育ちますが、肥沃な土地を好むため、痩せ地では生育が悪いです。
背丈が高くなり枝も大きく広がる事から一般家庭には使いにくいですが、剪定には耐えます。
植木としての流通量は少なく、入手はやや難しいです。
- 黄色い花が咲く木を教えて下さい(1)
ロウバイ/ろうばい/蝋梅
中国を原産とするロウバイ科ロウバイ属の落葉低木。
江戸時代初期に朝鮮半島を経由して日本へ渡来し、当初はカラウメ(唐梅)又はナンキンウメ(南京梅)と
呼ばれましたが、後に中国名「蝋梅」を音読みしてロウバイと呼ばれるようになりました。
開花は11~1月で厳冬期の庭を彩る貴重な花木であり、文人画の世界ではウメ、サザンカ、スイセンと共に
「雪中四友」に数えられ、蝋細工のような黄色い花は人工的な質感で、大変に香りが強く、
年末年始を彩る切花として人気があります。
半日陰でも木自体は育つが、花を楽しむには日照が欠かせません。
成長は早く、放置すれば3~4m近くに育ち、樹形は乱れがちで整えにくく、大きな葉が鬱蒼とし、
花のない時季は魅力に乏しいです。
狭い庭で管理するには花の直後に強く剪定するか、鉢植えで管理するのが良く、大事にし過ぎるよりも
強めに剪定して短い枝を多くした方が花数が増えます。
- 花期が長い木を教えて下さい(19)
ウメ/うめ/梅
中国の江南地方を原産とするバラ科の落葉小高木。
ウメは寿命が長く、古木でも力強く芽吹く事や、肌寒い早春に開花する事などから慶事の象徴とされ、
マツ、タケと共に「歳寒三友」、そして菊、蘭、竹とともに「四君子」と呼ばれています。
開花は早春の1月下旬~3月で、江戸時代に数多くの品種が作出され、花弁の色や枚数には様々な
バリエーションがありますが、香りの高い白梅に最も高い価値があるとされています。
基本種は一重咲きで花弁と萼が5枚ずつあり、1本の雌しべを多数の雄しべが取り囲みます。
乾燥に強く、基本的には丈夫な性質を持ち、土質もさほど選ばずに育ちますが、
病害虫の被害は大変多いです。(ウメケムシ、アブラムシ、カガラムシ、コスカシバ、オビカレハ、黒星病などなど)。
予防のため冬期に石灰硫黄合剤を2~3回散布するのが基本です。
剪定に強く、形を自由に仕立てられますが、棘のように変化した古い小枝があるので注意して下さい。
「徒長枝」と呼ばれる、長く突き出した枝は花つきが悪く、樹形を乱すため、根元から切り除いて下さい。
枝を大事にし過ぎて剪定をしないと花や実がならなくなる事から、植木職人の間では、
「サクラ切るバカ、ウメ切らぬバカ」と言われています。
- 花期が長い木を教えて下さい(18)
サザンカ/さざんか/山茶花
山口県以南の各地に自生するツバキ科の常緑樹。
日本特産の花木であり、暖地の林内や林縁に自生します。
山茶花は300以上の園芸品種があり、晩秋~冬に咲く花を観賞する為、庭木や鉢植えに使われる事も多く、
上手に管理すれば花で覆われた垣根を作ることができ、古くから人気が高いです。
サザンカという名前は、ツバキの漢名であるサンサカ(山茶花)が転訛したもので、当初は「さんざか」
と呼ばれていたましたが、江戸時代初期以降は「サザンカ」として定着しました。
ツバキに比べればやや寒さに弱いものの、東北地方でも南部であれば地植えで越冬できます。
ただし、2~3年生の苗木は凍結や霜に弱いため、防寒対策が必要となります。
潮風や排気ガスなどの大気汚染に強く、日陰にも耐えます。
成長が遅めで剪定の手間が少なく、枝葉が密生しやすい為、目隠し用の垣根に適しまするが、
風通しの悪い場所ではチャドクガの餌食になる事も多く、生育が安定した垣根では年に2回ほど剪定し、
枝葉を透かし気味に仕立てて下さい。
- 花期が長い木を教えて下さい(17)
ライラック/らいらっく
ライラックはヨーロッパ東南部及びアフガニスタンを原産地とする花木で、明治の中頃に日本へきました。
紫色の花が咲く品種を基本とし、白い花を咲かせる変種の他、青、白、赤、赤紫などの花色、
そして八重咲きになる園芸品種など多種です。
冷涼な地を好み、暖地では育ちが悪い事もありますが、特に夏の西日には弱いです。
また肥沃な土地を好みますが、環境適応力はあり育てやすい花木です。
病害虫にも強いですが、萌芽力が弱く、強い剪定は好みませんので注意してく下さい。
- 花期が長い木を教えて下さい(16)
アセビ/あせび/馬酔木
本州(山形~宮城以西)、四国及び九州に分布するツツジの仲間。
日本特産の常緑低木で、やや乾燥した林地や砂礫地、山の尾根などに群生することが多いです。
木全体に毒性があって他の動植物を寄せ付けないため、アセビだらけの景色を作り、奈良の春日大社、
奈良公園、箱根、天城山などは名所として知られています。
万葉集にもその名が登場するほど古くから親しまれ、春に咲くスズランのような小花を観賞するため、
庭木としても普及しており、日本庭園において灯篭や庭石の傍に植えるのが最も似合いますが、
花も葉も明るく、洋風の庭にも違和感なく植栽できます。
アセビの落ち葉には他の植物の成長を抑制する物質が含まれ、アセビ下では他の植物が育ちにくく、
また葉が持つ有毒性を活用し、葉を浸した桶の水や煎じた葉をトイレや畑に撒き、
害虫駆除や家畜の皮膚病に用いたりします。
漢字名のとおり、馬がアセビの枝葉を食べると呼吸中枢が侵され、酔ったように脚が不自由になる事から
「アシビ(足痺れ)」の別名があると言われています。
常緑樹としては寒さや、大気汚染、潮風、乾燥にも強く、相当条件の悪い場所にも植えられますが、
ただし、陰樹の性質があって直射日光や西日には弱く、適度な日陰の方が花も葉も美しいです。
枝分かれが多く、自然に樹形を整える為、余り手をかけずに育てる事ができるますが、しかし、
木全体の形としては、頭でっかちなものや、不恰好に育つものも多いです。
芽を出す力はあり、刈り込みに耐えるものの、成長は緩やかであり、刈り込みによって形をビシッと
決めるような木ではないので、手入れは、大きく飛び出した枝や、根元から出る「ひこばえ」、
内部で枯れ込んだ枝を切除する程度にとどめて下さい
また、剪定で生じた枝葉は毒性があるため、適切に処理する必要があり、花は前年に伸びた枝先に咲く為、
秋以降に剪定すると花数が減ります。
- 花期が長い木を教えて下さい(15)
ヤマハギ/やまはぎ/山萩
北海道から九州まで日本各地の山野に生えるマメ科ハギ属の落葉半低木。
秋の七草の一つとしても古くから日本人に親しまれるが、日本の固有種ではなく、
アジア大陸東北部や朝鮮半島にも幅広く分布しています。
6月から9月にかけて咲く花は直径1センチ程度の小さな蝶形、派手さのない所が好まれ、
花期は長く、満開がはっきりしないまま咲き続け、いつの間にか花が消えます。
ハギという名目の由来には諸説あり、古い株から新しい芽が次々に出ることを意味する
「生え芽(はえぎ)」が転訛してハギになったとする説が一般的のようです。
栄養分があり水はけの良い場所と日向を好みます、また根がどんどん横に広がるため、
邪魔な場合は株分けをします。
環境が良ければ稀に5m程度の高さまで育つ事もありますが、刈り込みに強いため、
高さは調整できます。
- 花期が長い木を教えて下さい(14)
ボタンクサギ/ぼたんくさぎ/牡丹臭木
中国中南部を原産とするクマツヅラ科の落葉低木。
半球状の花を牡丹に見立て、葉に臭気があることからボタンクサギと命名されました。
日陰に強いため、観賞用として高木の下や建物の北側に植栽されます。
植栽の適地は関東より以西ですが、東北地方の南部までなら地植えで育てることができます。
腐植質に富み、湿気のある半日陰地を好むため、植穴には堆肥や腐葉土を漉き込むのが望ましいです。
乾燥の厳しい痩せ地では生育が不良となります。
丈夫な性質を持ち、アブラムシ以外の病害虫はほぼ見られません。
一旦根付くと地下茎によって広がり、枝葉が繁茂しまた、剪定で樹形を整えるような木ではなく、
手入れは開花後に花殻を早めに取り除く程度で、繁茂しすぎるようであれば地際で幹ごと切除して下さい。
- 花期が長い木を教えて下さい(13)
アジサイ/あじさい/紫陽花
日本原産のガクアジサイを原種とする園芸品種の総称。
奈良時代以降に日本で作られた物ですが、その美しさに感動したシーボルトがヨーロッパに紹介した事と、
交配が簡単である事から欧米を中心に普及し、現代では多色多様の品種が世界中に見られています。
6~7月に咲く花の基本色は青紫ですが、酸性土壌では青が強く、アルカリ性土壌では赤味が強くなると
言われています。なお、花と呼んでいるのは本来の花ではなく「萼(がく)」で、
本当の花はその中心にある微小なものです。
萼の色が緑→白→青→茶色などと順次、変わる様から「七変化」との別名を持ち、萼は花が終わっても
すぐには落下せず、冬に枯れます。
直射日光を好まない「陰樹」であり、日陰~半日陰が植栽に適しますが、セイヨウアジサイは、
日向でもきれいに育ちます。
やや湿った肥沃な土地を好み、日照りが続くと葉に元気がなくなりますが、 病害虫には強いです。
刈り込みに耐えますが、タイミングを考えないと、翌年の花が咲きません。
また、花を大事に育てると、年々大きくなり手に負えなくなる為、剪定のタイミングが難しい木です。
- 花期が長い木を教えて下さい(12)
ヤブツバキ/やぶつばき/藪椿
ツバキ科ツバキ属に属する日本固有の常緑樹。
本州(青森県夏泊半島が北限)から沖縄の各地に自生しますが、東北地方では海岸沿いに多く、
それ以外の場所では山地にも見られ、また大島を代表とした伊豆七島はヤブツバキの名所として知られます。
野生種では咲き終わった花が丸ごと落下するのもサザンカとの違いであり、花はサルの好物であり、
人間社会でも花弁を天婦羅にして食べる風習があります。
ヤブツバキの樹高は最大で15m以上になり、樹皮は触り心地は滑らかです。
温暖な地を好み、冬の寒風、乾燥に弱く、土質はさほど選ばずに育つます。
さらに半日陰地を好み、日陰にも強いです。
一年中、光沢のある濃緑の葉をつけており、目隠し、風よけとして使うことが出来ますが、
ただし、葉の色が濃いため、放任すると庭が鬱蒼とします。
チャドクガの被害に遭いやすいため、消毒や剪定が不可欠ですが、剪定に対する抵抗力は高くないため、
剪定には技術と知識が必要となります。
- 花期が長い木を教えて下さい(11)
サザンカ/さざんか/山茶花
サザンカは冬の代表的な花木で品種が多く、11月から3月にかけて甘い香りのある花が咲く。
上手に管理すれば花で覆われた垣根を作ることができ、古くから人気が高い。
紅花のイメージが強いものの、白または薄いピンクの花が原種となっている。
花の終わりにツバキが花ごと落ちるのに対して、サザンカは花びら単位で落ちます。
ツバキに比べればやや寒さに弱いものの、根付いてしまえば耐寒性はあります。
サザンカという名前はツバキの漢名であるサンサカ(山茶花)が転訛したものです。
日陰にやや強く排気ガスにも強い、また 成長が遅めで剪定の手間が少ないです。
晩春以降に剪定すると花数が減り事と。チャドクガの被害に遭いやすい事を注意して下さい・
- 花期が長い木を教えて下さい(10)
キンシバイ/きんしばい/金糸梅
中国を原産とするオトギリソウの仲間。
梅雨時から盛夏にかけて写真のような黄色い花を次々に咲かせます。
日本へ渡来したのは江戸時代と古くから親しまれましたが、現在ではヨーロッパから導入された、
より花の美しい品種(ヒペリカム)の人気が高いです。
花期が長く、和洋どちらの庭でも違和感がないため、使い勝手のよい下草とされています。
日向の岩場を好んで自生し、刈り込みによく耐えますが、寒さにやや弱く、寒冷地では落葉します。
枝先の垂れる自然樹形に育てようとすると意外に大きな株になりますので、一般家庭では数年に一度、
根元から切り取って更新するのが良いです。
- 花期が長い木を教えて下さい(9)
シモツケ/しもつけ/下野
東アジアを原産とする低木で、春から夏にかけて薄ピンク色の小さな花がブーケ状に咲きます。
下野の国(現在の栃木県)に自生が多かった(又は最初に発見された)為、シモツケと命名されましたが、
シモツケソウと区別するために木シモツケと呼ぶこともあります。
自然樹形が望ましいですが、刈り込みにも耐え、潮風、乾燥にも強いです。
まれにウドン粉病になりますが、病害虫に強いです。
日陰では生育が悪いので、なるべく日向に植栽して下さい。
- 花期が長い木を教えて下さい(8)
ブッドレア/ぶっどれあ
中国西部を原産とするフサフジウツギ(房藤空木)を原種とした園芸品群の総称。
原種はフジウツギのとおり藤色の花ですが、園芸品種はピンク、紫、白など色とりどりです。
花期は6月~10月と長く、様々な虫が集まる事から英語ではバタフライブッシュ(蝶を呼ぶ木)と呼ばれています。
非常に丈夫な性質を持ち、日向であれば、あまり土質を問わずに育ちますが、日陰では開花しにくいです。
寒さには弱く、植栽の適地は東北南部より南となります。
刈り込みが追い付かないほど成長が早い為、マメに手入れをして樹形を維持する必要があり、
強い剪定にもよく耐えます。
- 花期が長い木を教えて下さい(7)
アメリカデイゴ/あめりかでいご
初夏から初秋にかけて真っ赤な花を咲かせ続けるアメリカデイゴは、南アメリカ原産の暖地性の花木。
開花期は6~9月で、赤みを帯びたオレンジの花びらが枝先に多数集まって花房となります。
デイコという名は、沖縄名の「梯枯」を音読みしたもので、一般にデイゴといわれるものには、
本種とサンゴシトウがあります。
仏典では「波利質多羅樹(はりしったらじゅ)」と呼び、天上界の花とされています。
他のデイゴに比べると耐寒性があり、関東以西なら地植えできますが、幼樹は霜よけをして下さい。
また、日照と水はけのよい場所を好み、病害虫、潮風にも強いです。
アメリカデイゴに似ている木として、・デイゴ(別名エリスリナ)・サンゴシトウがあります。
- 花期が長い木を教えて下さい(6)
ツキヌキニンドウ
北アメリカの東部及び南部を原産とする半常緑(あるいは常緑)つる性植物。
花に近い葉の基部が癒合し、花が葉を突き抜いて咲いているように見える事が名の由来で、
「ニンドウ」は「忍冬」で、冬の寒さに耐えて葉の緑を保つことからきているそうです。
日向であれば土質を選ばずに育ち、ツルはよく伸長しますが、他のツル性植物よりもツルは細く、
勢いも弱いため、強度の剪定は枯れの原因となるので注意して下さい。
- 花期が長い木を教えて下さい(5)
ノウゼンカズラ
中国を原産とするノウゼンカズラ科の蔓性植物。
ノウゼンカズラの名前は、他を凌駕して空を覆うほどに育つ事を意味する中国名「凌霽」に由来します。
花は朝開いて夕方に閉じる一日花ですが、全体としての花期は長く、晴天が続くとよく開花します。
ノウゼンカズラは蔓の節から気根を発生して壁面や他の樹木に絡みつく性質を持つ為、農家の庭先や
神社仏閣では枯れた大木を覆うように上空まで繁茂し、「オレンジ色の花を咲かせる大木」があるか
のように振舞うことがあります。
日当たりの良い場所であれは土質を選ばずに育ち、長期にわたって花を咲かせます。
日陰では花つきが悪いばかりか、カイガラムシ等の被害にも遭うので注意して下さい。
湿気があり、かつ、水はけの良い場所が望ましいです。
数年に一度、冬期に小枝をすべて取り除き、幹だけにするような強めの剪定を行うと良いです。
- 花期が長い木を教えて下さい(4)
フヨウ/ふよう/芙蓉
中国の中部を原産とするアオイ科の落葉低木。
ハイビスカスの仲間で、夏から秋にかけて咲く鮮やかな花の為、庭木、公園等街路樹として植栽されます。
フヨウの名は中国名ですが、中国では「木芙蓉」と表記し、中国での「芙蓉」はハスを意味します。
7月から10月にかけて咲く花は、直径10センチ以上と大きく存在感がありますが、
一日しかもたない「一日花」であり、その儚さが風情を感じさせます。
半耐寒性で東北地方南部以南の暖地に植栽でき、日向であれば土質を選ばずに育ちます。
アスファルトやコンクリートの隙間から顔を出すほど力強く、環境の悪い高速道路の街路樹としても使われます。
温暖な時期であれば根元で切り戻してもすぐに復活しますが、花はその年に伸びた枝の先端に咲くため、
開花前に切り戻すと花つきが悪くなります。
株立ち状に育ち、上部で多数枝分かれますが、冬を迎える頃に地上部をすべて切り除くように管理すると、
高さ1.5m程度の状態を維持できます。
ハマキムシの発生したら、見付け次第、駆除して下さい。
- 花期が長い木を教えて下さい(3)
ムクゲ/むくげ/木槿
中国などの東アジアを原産とする落葉低木。
世界中の温帯で広く育てられ、日本では江戸時代から多くの品種が作られています。
夏から秋にかけてずっと咲いているような印象ですが、一輪一輪は一日で散る「一日花」で、
次々に開花するため木全体としての花期は長いです、また挿し木したものが翌年に開花するなど
生命力はすさまじく、これにあやかって韓国ではムクゲを国の花としています。
日照さえあれば放置しておいても良く育ち、よほどの日陰や痩せ地でない限り開花します。
枝は繊維質でやや剪定しにくいですが、相当強い剪定にも耐えます。
花はその年に伸びた枝の先につくため、春以降に剪定すると花数が減ります。
夏季にハダニの被害が見られることもありますが、それ以外は病害虫には強いです。
- 花期が長い木を教えて下さい(2)
キョウチクトウ/きょうちくとう/夾竹桃
インド~中近東を原産地とするキョウチクトウ科の常緑樹。
乾燥、大気汚染、潮風に耐える強靭な性質を持ち、病害虫の被害も少ないため、公園や庭園のみならず、
海岸や幹線道路沿い、工場、高速道路の分離帯等、条件の厳しい場所の緑化に重宝されています。
広島や長崎では原爆の被爆後も開花し続け、復興のシンボルとなりました。
葉や樹形が竹に、花が桃に似ていることから夾竹桃と名付けられそうです。
キョウチクトウの花期は梅雨時を除いた6~9月で、その年に伸びた枝先に、小花が数輪集まって咲きます。
枝、花、葉に毒(オレアンドリン等の強心配糖体)を含み、誤食すると頭痛、嘔吐、下痢、意識障害、
幻覚、心臓麻痺を起こし、死に至ることもあるので、家畜のそばには植栽しない方が良いです。
痩せ地でも育てることができますが、日照は必要です、またどこで切っても再生し、
雑に剪定しても滅多に枯れないほど丈夫な性質を持ちますが、ただし、
上へ伸びて株が大きくなる勢いが強く、樹形は整えにくいです。
風通しが悪い場所では稀にアブラムシやカイガラムシが発生します。
生木を燃やした煙や、剪定ゴミにも毒が含まれるので、処分時引取ってもらえないケースもあります。
- 花期が長い木を教えて下さい(1)
サルスベリ/さるすべり/百日紅
中国南部を原産とするミソハギ科サルスベリ属の落葉高木で、全国の街路、公園及び庭園等に植栽される。
成木の幹は樹皮が剥げ落ちてツルツルしており、木登りが得意な猿さえも登るのが難しいとして
「猿滑り」と名付けられました。花が少ない夏季の貴重な花木であり、梅雨明けから初秋までの長い期間に渡って花を楽しむことができる為
「百日紅(ヒャクジッコウ)」という別名があります。乾燥や潮風に強く、丈夫な性質を持ちますが、代表的な「陽樹」であり、植え場所は日向に限ります。
また、基本的には暖地性であるため寒さの厳しい土地では防寒対策が必要です。
木の様子は南国風で自己主張が激しいため、他の木と混ぜて植えることはできなく、庭の手前や玄関付近に
単独で植えるのが一般的です。
- とげのある木を教えて下さい(24)
サイカチ/さいかち/梍
本州中南部から九州までを原産とするマメ科の落葉樹。
幹に鋭い棘がある事や、大型のマメができることで知られています。
棘は枝が変化して出来、木の成長に伴って分岐し、長さは15センチにもなり、かつてこのトゲは
腫物の膿を出すのに使われ、傷の治りが良かったと言われています。10月頃に成熟するマメは、利尿や痰を切る漢方薬として使われまた、この種を含む実にはエゴノキと同じ
ようにサポニンという物質が含まれ、煮汁が洗濯石鹸代わりになる為、昔は民家に植える事がありました。
今ではその名残の大木が残るのみであり、庭木として使うことは少ない物の、オーガニックブームの
影響もあって自然に優しい石鹸として見直されています。
ただし、種子は誤食すると嘔吐や下痢を引き起こします。サイカチという名前は、漢方名サイカクシ(皀角子)に由来する古名の「西海子」が転じたとする説や、
滑らかな身体を意味する「サイカチ(細滑)」によるものとする説などがあります。湿気のある場所を好みますが、土質は問わず、大木になることに加え、枝や幹に鋭い棘がある事から、
原種を街路樹や庭木として用いる事はあまりありません、
庭木としては、棘がない園芸品種や葉が黄金色になる品種を使います。
- とげのある木を教えて下さい(23)
ニセアカシア/にせあかしあ
北アメリカを原産とする落葉広葉樹で、単にアカシアと呼ばれることも多いですが、
正式名称はハリエンジュであり、エンジュに似た葉を持ち、枝や幹にトゲがあることに由来します。
爆発的な繁殖力を持つことから環境省がアメリカザリガニやワニガメなどと同じ「要注意外来生物リスト」
に入れている一方、養蜂家が保護に努めるなど、立場が難しい木となっています。
葉の様子が熱帯性のアカシアに似る為ニセアカシアと名付けられますが、本種とは花の色も形も違います。
非常に丈夫な性質を持ち、北海道から九州までの幅広い地域に適応します。
樹木としての寿命は比較的短いですが、乱雑に枝や幹を切っても再生し、切り倒した切り株からは
100本以上の新梢が生じ、尚且つ根からも発芽すると言う性質を持つ為、人為的な植栽は課題が多いです。
貧栄養の砂地、やせ地であっても日当たりが良ければ育ち、大気汚染や病害虫に強いですが
アブラムシが発生することもあります。
根の張りが浅く、成長が早いため材が脆い事から風に弱く、強風で倒れたり、折れたりする事があります。
- とげのある木を教えて下さい(22)
ハリギリ/はりぎり
沖縄を除く日本全国に分布する落葉広葉樹。
幹や枝が鋭い棘で覆われ、キリのような葉を持つためハリギリと名付けられました。一見すると近付き難い
木ですが、新芽はタラノキ、ウコギ、コシアブラと同様、天ぷらなどにして食用されます。
トゲは樹皮が変形してでき、幹の棘は幼木に限られ、老木になると小枝にのみ刺があります。
また、木が大きくなると棘は先端が丸くなってイボ状に残るとともに、幹には深い窪みができて
美しい木肌となり、なお、樹皮は薬用となります。
暑さ寒さに強く、北海道から九州までの広い範囲に自生し成長が早く、直径1m程度の大木になる場合も
ありますが、その割に剪定に弱いため、一般家庭の植栽にはあまり向きません。
- とげのある木を教えて下さい(21)
ザクロ/ざくろ
イランのザクロス山脈を原産地とするザクロ科の落葉樹。
当初は薬用として、現代では花や果実を鑑賞するため庭に植えられました。
日向を好み、日陰では花や実ができにくく、砂質壌土のような水はけのよい土を好みますが、
適応力があり、余り土質を選びません。
放任すると根元から「ひこばえ」が密生し、どれが主幹が分からないほどになりますので、
適宜整理し、主幹に十分な養分がまわるようにする必要があるものの、
枝には鋭い棘があり、剪定には苦労が大変多いです。
- とげのある木を教えて下さい(20)
ナツメ
ナツメは南ヨーロッパ及び西方アジアを原産とする落葉樹で、中国を経て日本へ渡来しました。
9月~11月頃熟す果実は種が多く、食べる部分は少ない物の、林檎のような風味があり生食できます。
栄養が豊富で、乾燥させた物は漢方で「大棗(たいそう)」と呼ばれ、強壮、利尿、解熱に
効果があるとされ、また、ドライフルーツとして菓子や料理の材料に使うことで知られています。
土質を選ばず丈夫に育ち、日向を好む典型的な「陽樹」であり、日陰では収穫も期待できません。
温暖で乾燥した土地を好み、寒さにも強く、青森県あたりまでなら植栽できます。
棘のある枝が四方八方に広がる為、樹形は整いにくいです。
- とげのある木を教えて下さい(19)
ハリグワ
中国及び朝鮮半島を原産とするクワの一種。
養蚕が盛んであった頃はカイコの餌として各地で栽培されました、幹や枝に針のようなトゲがあり、
蚕が葉を食べる(食葉(くは))ためハリグワと名付けられたそうです。
なお、トゲは小枝が退化したもので、長いものでは3センチほどになります。
葉以外にも用途は多く、樹皮は製紙用、薬用、染料(黄色)に、実は食用あるいは果実酒に、
材は弓や器具用に、樹皮と根は薬用に使われます。
ヤマグワ同様、暑さ寒さに強く、丈夫で育てやすいものの、成長が早くて枝葉が間延びしやすいです。
剪定には十分に耐えますが、樹形を整えにくい事や、葉が大きいことから、
観賞用として扱う事はあまりありません。
- とげのある木を教えて下さい(18)
クロウメモドキ
北海道から九州まで日本全国の湿った林などに見られる落葉樹。
他国には見られない日本固有の木です。
ウメモドキのような形状の黒い実がなる木という意味合いで命名されたようです。
秋には直径7ミリほどの黒紫色の実ができ、黄葉期を経て熟し乾燥させた実は
「鼠李子(ソリシ)」という漢方薬になり、下剤としての効能があると言われています。
芽を出す力が強く、剪定に耐えますが、枝の出方は乱雑で乱れやすく、自然樹形を楽しむような木ではなく
また、枝の分岐点には鋭い棘があるため、これを活かした垣根などにして人工的に管理するのがよいです。
- とげのある木を教えて下さい(17)
北海道から九州までの広い範囲に自生するバラ科の落葉樹。高原や湿原を好み、時に群生する。
「ズミ」という名前は実が酸っぱいこと、あるいは樹皮を染料(黄色)に用いたことによるそうです、
また小枝はトゲ状に育ち、材は硬く、斧や鉈などの器具類の柄に使われます。
リンゴの台木に使われるほど丈夫な性質を持ち、可愛らしい実とは裏腹に結構な大木となります。
木が小さな時から開花するので、庭木として管理する場合、徒長枝を適宜切除し、大きくならない
ようにすると共に、剪定を繰り返して小枝の発生を促さないと、次第に花付きが悪くなります。
- とげのある木を教えて下さい(16)
ピラカンサス
南ヨーロッパ及び西アジアを原産とするバラ科ピラカンサ属の常緑樹。
開花は5~6月で、花の後には直径6ミリほどのみがなり、10~11月ごろになると真っ赤に熟し
艶やかで美しく、生け花、切花に利用され、実は野鳥の食料となり、糞によって種子が広がります。
葉は幅1センチほど。枝にはトゲが多いため防犯を兼ねた垣根に利用されることが多いです。
成長が早く、樹形が乱れやすいため、定期的な剪定が不可欠ですが、トゲが多く、
剪定などでは切り屑の扱いが大変厄介です。
- とげのある木を教えて下さい(15)
カラタチ
中国北部を原産地とするミカンの仲間で、柑橘類では最も寒さと病気に強いことで知られています。
枝には長さ5センチにも及ぶ鋭い棘があり、防犯を目的に垣根として利用されることが多いです。
暑さ寒さ乾燥に強く、北海道西南部から沖縄までの広い範囲に植栽でき、また土質は選びません。
垣根に使われることからも分かるとおり、芽を出す力は強く、剪定にもよく耐えますが、ただし、
棘だらけで、覚悟を決めて作業する必要があり、剪定後の屑の扱いも現代社会では悩ましいです。
- とげのある木を教えて下さい(14)
ボケ・木瓜
庭木や生け花の「枝物」として使われる花木。
夏になるとカリンと同じような大きな実をつけ、良い香りがするため、主に果実酒を作るのに使われます。
植え付けは日向に限り、乾燥には強く、萌芽力もあり、剪定にも耐えます。
棘状の小枝があるため扱いには注意が必要です。
- とげのある木を教えて下さい(13)
タラノキ
日本全国に自生する落葉低木。
春に見られる新芽「タラノメ」は山菜として大人気であり、その味わいから「山のバター」と賞されます。
枝や葉の数は少なく、幹に棘が多いことから庭木として積極的に使う例は少ないです。
日向であれば土質を選ばず丈夫に育ちますが、水はけの悪い場所では根腐れを起こしやすいです。
成長が早く、放置すれば大株になりますので、他の植木の生長を阻害しないためにも、
「タラの芽」を摘んで成長を抑制したり、強めの剪定を行って枝分かれを促したりする必要があります。
- とげのある木を教えて下さい(12)
ジャケツイバラ/じゃけついばら
宮城県及び山形県以南の本州から沖縄にかけて自生するツル性の落葉低木。
主幹がなく、蛇と蛇が絡み合うように同じ太さのツルが重なり合うため、
ジャケツイバラ(蛇結茨)と命名されたそうです。
ツルには鋭い棘があり、これを他の樹木に引っ掛けるようにして這い上がり、上空で開花するが、
近くに樹木がない場合は1~2mの高さでツルが独立します。
日当たりの良い場所であれは放任気味でも良く育ちますが、枝が繁茂して場所をとる事や、他の木に
巻き付く事、棘があることなどから一般家庭では棚を作って管理した方が良く、数年に一度、
冬期に強めの剪定を行い、枝葉を整理するのが良いです。
- とげのある木を教えて下さい(11)
サンショウバラ
富士山の付近にのみ自生するバラの原種。
園芸用に販売はされているが、自生地では絶滅が危惧され、富士山付近の不老山にあるサンショウバラ
の丘が名所として知られています。
葉の形や幹枝の棘がサンショウ(山椒)に似ていることから名付けられ、葉はサンショウよりもはるか
に大きく、両面が細かな毛で覆われているのが特徴です。
5月~7月に咲く薄ピンク色の花は直径5センチほどの一重で、咲いたその日に散っていきます。
植え付けは日当たりの良い場所が良く、土質は問わず生育は旺盛。剪定にも相当に強いです。
枝には強烈な棘があるため、剪定の際は怪我や衣類の損傷に留意する必要があります。
また、小さな子供がいる家庭にはお勧めできません。
- とげのある木を教えて下さい(10)
ノイバラ/のいばら/野茨
沖縄を除く日本全国の野原や空き地に見られる野生のバラ。
花よりも目立つ実(偽果)は、秋~冬にかけて赤く熟し、ジャムや果実酒あるいは装飾用に用いられ
また、未熟な実を乾燥させた物は漢方薬で「栄実(エイジツ)」と呼ばれ、利尿、下痢止め、肌荒れ予防
などに効果があり、近年では美白やアンチエイジングの化粧品に果実エキスが使われています。
寒さに強く、北海道でも南部であれば植栽でき、土質は問わず生育は旺盛、剪定にも相当に強いです。
野生にありふれている為、バラとしてあえて庭に植えるような種ではなく、耐寒性並びに花を多く
咲かせる性質を利用して、園芸用のバラの台木にして使うのが一般的だったが、近頃はいろいろな品種が
流通しておりノイバラ自体を楽しむことができるようになりました。
- とげのある木を教えて下さい(9)
イヌザンショウ
本州、四国及び九州の川原や林に見られる日本固有の落葉樹。
サンショウに比べて香りが悪く、役に立たないという意味合いでイヌザンショウと名付けられたそうで
役に立たないとは言え、サンショウと同じように葉と種子は食用となり、香料や咳止めの薬、神仏に
備える燈火用や整髪用の油を作るのに使われる事もあります。
枝には棘があり、サンショウの棘は対になって生じるが、イヌザンショウは互い違いに生じます。
日当たりがよく水はけの良い場所を好み、荒れ地に真っ先に生じるような木であり、土質を選ばず
丈夫に育ちます。
- とげのある木を教えて下さい(8)
サンショウ/さんしょう/山椒
日本(北海道中南部~九州)、朝鮮半島南部及び中国を原産とするミカン科サンショウ属の落葉低木。
「サンショウは小粒でピリリと辛い」と表現され、種子が香辛料に使われることで知られ、
実用目的で民家の庭に植栽される例が多いです。
若い枝には鋭い一対のトゲがありますが、古い枝や幹ではトゲがイボに変わります。
幹は最大でも15cm程で、緻密で程良い硬さがある為、杖や高級なすりこぎ、寄木細工などに使われます。
暑さ、寒さに強く、北海道から九州まで植栽でき、土地を選ばず丈夫に育ちます、また小枝や葉の付け根
には対になった長さ1センチ程度の棘があるため、剪定の際は怪我や衣類の損傷に注意して下さい。
雌雄異株であり花山椒(ハナザンショウ)と称して売っている雄株は、いくら頑張っても実はなりません。
- とげのある木を教えて下さい(7)
ナワシログミ
中部以西の本州、四国及び九州に分布するグミ科の常緑低木。
常緑で剪定に耐え、成長の強い枝にはトゲがあることから農家などの垣根に使われることが多いです。
土質を選ばず、乾燥地でも湿地でも耐え、また病害虫もほとんど発生しない為、初心者でも育てやすい。
四方八方に枝が広がり、形が乱れやすく、刈り込んでもすぐに新芽が出るなど管理に手間がかかります。
- とげのある木を教えて下さい(6)
サンザシ/さんざし/山査子
中国を原産とするバラ科の低木。
当初はもっぱら薬用樹として栽培され、生食できる実は胃や腸の薬になりました。
日当たりがよく、栄養のある土地を好み、日陰では花が咲かないことが多いです。
棘のある枝がよく分岐するため扱いづらいですが、剪定には強い為、好きな形に刈込が出来ます。
風通しの悪い場所では、アブラムシやカイガラムシの被害に遭いやすいので気を付けて下さい。
- とげのある木を教えて下さい(5)
ムレスズメ/むれすずめ/群雀
中国北部を原産とする落葉低木で、江戸時代に日本へ渡来したそうです。
花の形が特徴的で、細枝に雀が並んでとまっているように見える事からムレスズメと名付けられました。
丈夫な性質を持ち、乾燥でも湿地でも土質を選びませんが、花を観賞するには肥沃な日向が良いです。
樹形はまとまりにくく、成長も早いため鉢植えや盆栽としてコンパクトに管理するのがよいでしょう。
剪定は株立ちにする場合は、不要な幹を根元から切除し、不用意に広がらないようにする事また、
秋以降の剪定は、花数を減らすためなるべく避けて下さい。
また、4,5年に一度はすべての幹を株元で切除して更新すると、樹勢を維持できるます。
- とげのある木を教えて下さい(4)
メギ/めぎ/目木
関東以西の野原や山地に見られる落葉低木。
葉の付け根に鋭い棘があるため扱いにくいが、防犯用として垣根に使う場合もあります。
根元から株立ち状に枝が密生するのが自然樹形です、成長はやや遅いものの芽を出す力が強く、
剪定によく耐えますが、棘があるため扱い際は皮やゴムの厚手の手袋が必須です。
繁殖は実生または株分けによるが、実生の場合、成長はかなり遅いです。
- とげのある木を教えて下さい(3)
ハマナス/はまなす/浜梨
北海道から山陰地方(鳥取まで)の海岸沿いに自生するバラ科の低木。
海岸地に群生する様子が美しく、本来は狭い庭に使うような樹種ではありません。
また、自生種の枝には太いトゲが密生しますが、栽培品種の多くはトゲがありません。
耐寒性、耐潮性に優れ、バラの台木に使われるほど強い性質を持ちますが、暑さにはやや弱く、
太平洋岸での天然分布の南限は茨城県の波崎町とされています。
本来は砂地に生えますが、普通の庭土でも問題なく育ちます。
株立ち状に育つのが基本で、背丈は最大でも2m程度です、鑑賞は剪定せず自然樹形で楽しんで下さい。
- とげのある木を教えて下さい(2)
クコ/くこ/枸杞
北海道から沖縄まで日本全国に分布するナス科の落葉低木。
枝は灰白色で縦に筋が通り、小枝の先端がトゲ状になることがあり、手で触れると痛みを感じます。
枝葉はビタミンCを含み、クコ茶(延命茶)、クコ飯、クコ粉末(ふりかけ)などに良く使われ、
果実はアミノ酸やタンパク質のほかアルカロイド物質が含まれ、クコ酒に使われ、また株全体が漢方で
果実を「枸杞子(クコシ)」「木蜜」、花を「長生薬」、根を「地骨皮」、葉を「枸杞葉」と呼び、
主な効能は血圧降下、解熱などで、薬理実験でもその効果が確認されています。
本州から九州までの広い範囲に植栽でき、丈夫な性質を持ちます。
芽を出す力は強く、剪定にも耐えますが、つる状にヒョロヒョロと伸び、樹形は整えにくいです。
観賞用というよりは実用と割りきって栽培するのがよいのではないかと思います。
- とげのある木を教えて下さい(1)
アリドオシ/ありどおし/蟻通し
関東以西の本州、四国、九州及び沖縄に自生するアカネ科の常緑低木。
葉の付け根に長い棘があり、この棘が小さな蟻をも刺し通すとして「蟻通し」と名付けられたそうです。
条件の悪いところでも育ち、花の少ない時季に赤い実をつけるため、和風庭園では他の樹木の下に、
「根締め」として使ったり、水鉢の前に植えて楽しむ場合が多いです。
自生地は山地の乾いた林内で、薄暗い場所にまとまって生えていることが多いです。
園芸品種には適応力があり、土を選ばずに育ち、かなりの日陰でも赤い実をつけますが、
むしろ、日当たりの強い場所では葉焼けを起こすため、直射日光は避けて植えた方がよいです。
剪定には強いですが、成長は遅めであり、実質的にはそれほど剪定の必要はありません。
もちろん、棘があるため手入れは厄介です。
- どんぐりがなる木を教えて下さい(21)
ハナガガシ
ハナガガシは、日本の九州(宮崎県、熊本県、鹿児島県)や四国の高知県に稀産する常緑高木。
主幹は真っ直ぐに伸び、樹高20mに達し、また温暖な地域に分布が限られる希少種の為、
環境省レッドデータブック の絶滅危惧種に指定されています。
ハナガガシのドングリは2年成であり、開花した翌年の秋に熟しますが、ウラジロガシなど
常緑カシ類のものとよく似ており、ドングリだけでは区別が難しいです。
新鮮だと、表面にワックスがあり、白い粉がかって見えます。
- どんぐりがなる木を教えて下さい(20)
ツクバネガシ/つくばねがし
沢沿いの斜面などでみられる高さ20m、幹径60cmにもなる常緑高木。
果実は径1.2~1.5cmで卵円形~楕円形の堅果(どんぐり)で、翌年の秋に熟し、
殻斗(どんぐりの帽子)は杯状で、総苞片は環状に並びます。
材は紋様が美しく、床柱や楽器などに利用されるほか、紫檀の代用にもされます。
増殖は実生によりますが、どんぐりは乾燥させると発芽率が落ちるので、とりまきにするか、
春まで湿らせて保存すると良いでしょう。
- どんぐりがなる木を教えて下さい(19)
ウラジロガシ/うらじろがし/裏白樫
宮城県~新潟県以南の本州、四国、九州及び沖縄に分布するブナ科の常緑樹。
ドングリは長さ1.5~2センチほどの卵形あるいは楕円形で、殻斗と呼ばれる帽子部分には
5~7層の横縞があり、細かな毛が密生します。
幹は直立し、直径は最大で1mほどになり、樹皮は灰色で皮目と呼ばれる白い点々が生じるが、
老木になってもシワや裂け目が少なく、アカガシなどに比べるとはるかに滑らかなものが多いです。
材は建材、器具材、楽器に使われ、かつては炭としても利用されていました。
寒さにやや弱いですが、乾燥、大気汚染、病害虫には強く、耐陰性もあります。
成長が早く、枝葉も密生するため垣根としての利用も多いですがただし、放任すれば大木となって
下枝がなくなり、上へ上へと伸びるので、定期的な剪定によって下枝を枯らさないよう
維持する必要があります。剪定には強いです。
- どんぐりがなる木を教えて下さい(18)
イチイガシ/いちいがし/一位樫
関東南部より西の暖地に自生するカシの仲間。
イチイガシという名前の由来には、神聖な木を意味する「イチカシ」から付いたと言われており、
緻密で丈夫な材が船の櫓に使われたことから「ロガシ」という別名もあります。
イチイガシのドングリはアク抜きなしで食べることができ、縄文時代から食糧となっていた事が
遺跡から判明しています。
歳月を経れば大木になるため、計画的に剪定し成長を抑える必要がありますが、強度の剪定には弱いため、
一度にたくさんの枝葉を切ることは避けたい下さい。
- どんぐりがなる木を教えて下さい(17)
ウバメガシ/うばめがし/姥目樫
関東以西から九州の沿岸部や低山に見られる常緑樹。
カシ類のうち最も病害虫や都市環境に強い事から、昔は関西地方を中心に垣根としての利用が
多かったそうです。
「木の雑草」と称される丈夫な性質を持ち、街路樹などにも多用され、また成長が遅いため、
幹の太い老木は珍重されます。
剪定には非常に強いですが、枝を作り込んで自然風の樹形を楽しむような手入れは向かず、
葉っぱごと刈り込むような手入をして下さい。
- どんぐりがなる木を教えて下さい(16)
アカガシ/あかがし/赤樫
本州中部以西の山地を原産とするブナ科コナラ属の常緑樹で、いわゆるカシの一種。
食用となるドングリは直径2センチほどで楕円形が多く、中程まで帽子(殻斗)で覆われ、殻斗には
毛が密生し、シラカシと同じような環状の模様があります。
大木となりますが、芽を出す力が強く、強い剪定にも耐えるため維持管理はしやすいです、また
排気ガスや煙害にも強いなど、性質は丈夫であり、東北南部以南であれば場所を選ばずに育ちます。
- どんぐりがなる木を教えて下さい(15)
アラカシ/あらかし/粗樫
いわゆる「ドングリの木」の代表的な樹種であり、材も用途が多く、建材、器具材、木炭に適しています。病気、害虫に強いですが、温暖化が進む都市部では、うどんこ病にかかることもあります。
放置すれば大木になる上、下の方の枝がなくなりやすいので、一般家庭で管理する場合、
最低でも年に一回は頂部を刈り込んで上方への成長を抑えて下さい。
- どんぐりがなる木を教えて下さい(14)
シラカシ/しらかし/白樫
福島県及び新潟県以西の本州や四国、九州に分布するブナ科の常緑高木。
カケスやネズミなどの野生動物に運ばれる事でドングリが自然に増えます。
基本的には病害虫に強く育てやすく、成長も早く放任すると枝葉が繁茂し、長楕円形の樹形になります。
放任すると上部ばかりが成長し、下枝がなくなり、美観を維持するにはマメに剪定する必要があります。
根元から伐採しても再生するほど芽を出す力は強く、真冬や真夏でなければ剪定で失敗する可能性は
低いですが、剪定を繰り返すと花やドングリはならないので注意して下さい。
- どんぐりがなる木を教えて下さい(13)
シリブカガシ/しりぶかがし・尻深樫
近畿地方以南の山地に分布するブナ科の常緑樹。
秋(9~10月頃)に開花するという大きな特徴を持ち、雌雄同株で花は他のカシ類と同じような紐状
になり、葉から突き出すように開きます。
ドングリは直径2センチほどの楕円形で、いわゆるドングリの帽子が他より深く、底部には深さ3ミリ
ほどの凹みがあるため、「尻深」と呼ばれるようになったそうですまた、ドングリはタンニン(アク)
が少ない為生食でき、リスや野鳥などの動物も好んでこれを食べます。
病害虫、煙害、潮風に強く、刈り込みにも強く、比較的自由に高さを調整できる。
放任すると上部ばかりが成長し、下枝がなくなる為、美観維持にはマメに手入れする必要があります。
- どんぐりがなる木を教えて下さい(12)
マテバシイ/まてばしい
ブナ科マテバシイ属に属する日本固有の常緑広葉樹。
かつて薪や炭を作る為に植栽され、野生化した結果、現在では房総半島~沖縄まで広い範囲に見られます。
ドングリは直径2~3センチで細長く、ヤジロベイやコマなど子供の玩具作りに適しており、
多少の渋味はあるがアクが少なく、味はクリに似ており、普通は炒めたり焼いたりして食べるそうです。
都市部の街路樹にも使われるほど丈夫な木で、広い場所であればまったく手がかからななく、
潮風、病気、乾燥にも強いですが、成長が早く、放任すると日陰になった下枝がなくなりやすい。
葉の色が明るいため、シイほどには鬱蒼としないが、個人宅にはあまり向きません。
剪定には強いですが、それでも3m程度の高さを確保しなければ、見栄えがしません。
- どんぐりがなる木を教えて下さい(11)
ツブラジイ/つぶらじい/円ら椎
関東以西の本州、四国及び九州に見られる代表的な常緑広葉樹。
一般にシイノキと呼ばれ、庭木としては江戸時代から防火用として垣根などに多用されている。
実はスダジイと同様にヤマガラが好んで食べ、人も生で食べることができます。
大木となるため、一般家庭で庭木として維持するには、定期的な手入れが必要となります。
剪定にはある程度耐えますが、強度の剪定を繰り返すと衰弱しやすいので気お付けて下さい
- どんぐりがなる木を教えて下さい(10)
スダジイ/すだじい
福島県及び新潟県(佐渡)以西の日本全国に分布するブナ科の常緑広葉樹。
一般的にはシイタケがなる木、または食べられるドングリがなる木として知られ、
古代から重要な食糧とされていました。
できはじめの実は、全体がスッポリと殻に包まれており、実そのものは見えなく、
開花から一年半もの月日を経て翌年の秋にようやく熟し、自然に殻が割れて顔を出します、
実は生でも食べられますが、カヤの実のように火で炙ると香味が増して美味しくなります。
成長が早く、放任すると大木になる為、家庭で庭木として維持するには定期的な手入れが必要ですが、
剪定を繰り返すと寿命が縮まりやすく、特に寒さに向かう時期に強剪定を行うと木に対するダメージが
著しくなります。
葉の緑が濃く、幹も暗い色であるため、鬱蒼とした感じになりがちで、狭い庭には向かなくまた、
スダジイの下は日陰になるため、他の植物を育てにくいので注意が必要です。
- どんぐりがなる木を教えて下さい(9)
クリ/くり/栗
北海道南部から九州まで広い範囲の山野に自生するブナ科の落葉樹。
現代では秋の味覚を代表する果樹ですが、農耕が始まる以前の古代には重要な食糧とされ、
その名は「古事記」にも登場する。
日当たりと水はけのよい場所を好む。
大木となるため相応のスペースが必要です、
狭い場所で育てる場合は「シダレグリ仕立て」と呼ばれる方法で剪定します。
- どんぐりがなる木を教えて下さい(8)
ナラガシワ/ならがしわ/楢柏
秋田県以南の本州、四国及び九州に分布するブナ科の落葉高木。
ナラかカシワかはっきりしない名の由来は葉の形状にあるが、本種を含めて全てがブナ科コナラ属に属し、
交雑もよく生じます。
樹皮にはクヌギ同様、裂け目があり、樹液にクワガタやカブトムシが集まる木として知られています。
腐植質の多い湿った土壌を好み、乾燥が厳しい場所では不健全な葉になります。
環境に合えば丈夫に育ちますが、昆虫に人気の木であり、蝶や蛾の幼虫に葉を食害されますが、
意図的に昆虫を集めたり、育てたりしたいという場合以外は、庭木として用いることはあまりありません。
- どんぐりがなる木を教えて下さい(7)
カシワ/かしわ/槲・檞
ブナ科の落葉高木で日本全国に分布します。
カシワは落葉樹ですが、翌春に新葉が揃うまでは古い葉が枝についたままであることから、「葉守りの神」
が宿る縁起の良い木とされまた、古い葉と新しい葉が絶え間なく入れ替わることから「葉(覇)を譲る」
家運隆盛を象徴する木として、端午の節句の柏餅に使われようになったそうです。
成長と共に横への広がりも大きくなる為、余裕のあるスペースに植えるのが望ましく剪定を繰り返すと
無骨な樹形となります、また寒さに強く、日本全国に植栽できます。
いつまでも落葉しない葉が、美的には美しくないことなど、好みが分かれる木でもあります。
- どんぐりがなる木を教えて下さい(6)
アベマキ/あべまき
アベマキは山形県以南の本州から九州まで自生が見られ、クヌギによく似た落葉樹木。
葉はクヌギに似ているが、アベマキの葉は裏側にビロード状の毛があり、クヌギよりも白っぽく見えます。
庭木としての利用は少なく、薪や木炭の材料、シイタケの原木として使われることが多いそうです。
日当たりと水はけのよい場所を好み、丈夫で育てやすく、土質もあまり選ばなく病害虫にも強いです。
自然樹形が美しく、剪定によって樹形を保つのは難しいです。
- どんぐりがなる木を教えて下さい(5)
クヌギ/くぬぎ/橡・櫟・椚
本州から九州までの広い範囲に自生するブナ科の落葉高木。
切り倒しても20年ほどで元どおりになるという再生力の高さから薪炭やシイタケの原木として使われ、
薪炭材としては最良であり、かつては優れた産地の名前を冠して佐倉炭、池田炭などと称しています。
基本的には日当たりと水はけのよい場所を好みますが、半日陰には耐え土質は選ばず丈夫に育ちます。
放任すれば株立ちの雄大な樹形になりますが、剪定によって人工的な形にするのは難しので、
自然風の手入れが良いでしょう。
- どんぐりがなる木を教えて下さい(4)
コナラ/こなら/小楢
北海道北部及び沖縄を除く日本各地に分布するブナ科の落葉広葉樹。
クヌギと共に雑木林の主、絵に描いたような形のドングリができ、里山の生き物の貴重な食糧となり、
また、材はシイタケのホダ木、薪、家具材として使われ、日本人の生活に大変に馴染みが深いです。単に「ナラの木」という場合、このコナラあるいはミズナラを示すことが多いですが、コナラは
ミズナラよりも葉や樹高が小さいためコナラ(小楢)と呼ばれます。雌雄同株で4~5月になると雌雄それぞれの花が咲き、秋にはドングリができます。
ドングリはミズナラよりも小さくて細長い。アクが強いため生で食べるのは難しいですが、
アク抜きしたものは食用になります。日当たりを好みますが、半日陰程度なら耐えられ、乾燥に強いです。
剪定にも強いですが、刈り込んで管理するような木ではないので自然樹形を楽しんで下さい。
ドングリは、雌雄同株で数年おきに大量にできます。
- どんぐりがなる木を教えて下さい(3)
ミズナラ/みずなら/水楢
北海道から九州まで日本各地の山地に分布するブナ科の落葉高木。
幹や枝に含まれる水分が多く、燃えにくいことから「水楢」と呼ばれます。
庭木よりも材木としての利用が多く、秋には直径3センチ程度のドングリができ、生で食べるのは
難しいですが、粉として餡・団子や餅に、また炒ったものはコーヒーの代用に使われ時もあります。
基本的には日当たりと水はけの良い場所を好み、成長も早く大木となる為限られたスペースに植える場合は
定期的に剪定する必要があります、剪定の適期は厳冬と酷暑を除いた時期が良く、樹姿は整えにくいです。
マイマイガ、オビカレハ、オトビモンシャチホコなどガの幼虫による食害が多いため、
こまめに観察して除去あるいは消毒する必要があります。
- どんぐりがなる木を教えて下さい(2)
イヌブナ/いぬぶな/犬橅
岩手県以南の本州から九州にかけて自生する落葉樹。
ブナよりも海抜の低い場所に分布し、日本海沿岸を除く関東以西の低山帯に多い。
イヌブナの樹皮は、「皮目」と呼ばれるイボ状の皺があり、ザラつき、黒っぽく見えます。
樹高はブナほどならず、ブナよりも寒さに弱く、北海道では生育が難しいようです。
また、湿気のある肥えた土地を好み、剪定にはよく耐え、盆栽として使われることも多いです。
- どんぐりがなる木を教えて下さい(1)
ブナ/ぶな/橅
北海道の渡島半島から九州までの広い範囲の低山帯に分布するブナ科の落葉広葉樹。
その数は大変に多く、ミズナラと並んで日本を代表する広葉樹です。
果実は熟すと殻が四つに裂け、三角錐になり、ソバの実に似ている事から、
別名「ソバグリ」「ソバノキ」「タチソバ」と呼ばれ、栄養豊富で食用はもちろん、
灯油や食用油に使うことができます。
- 『どんぐり』の木とはどう言う木ですか?
『どんぐり』と言う名の木はありません、
『どんぐり』とは、実の形状を表しているに過ぎませんが、『どんぐり』がなるのはブナ科の樹木で、
ブナ科はさらにブナ属、コナラ属、シイノキ属、マテバシイ属、クリ属に分かれおそらく、
ドングリを見ただけで木の種類を当てるのは難しいと思います。
そこで、この『良くあるご質問』コーナーで、画像紹介いたしますので、
是非『ドングリ』の達人になって下さい。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(36)
イヌマキ/いぬまき/犬槙
実の時期:10月 実の直径:10~12mm
木の特徴
・和風庭園に多い
・丸や四角に刈り込まれている
・病害虫の被害も比較的少ない
・大気汚染や潮風にも強く、垣根として良く使われる
・刈り込みに強く、北側の垣根に利用できる。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(35)
キャラボク/きゃらぼく/伽羅木
実の時期:8~9月 実の直径:8~12mm
木の特徴
・和風庭園の垣根に多い
・背の低い針葉樹
・日陰に強い
・成長が遅く、樹形が乱れにくいので、あまり手間がかからない
・病害虫の被害がほとんどない。(まれにサズカリムシやハダニの被害に遭う。)
・根が太くて浅いため、移植はやや難しい
・赤い実は食用にするが、種は有毒
- 赤い実ができる木を教えて下さい(34)
イチイ/いちい/一位
実の時期:8月~実の直径:12~25mm
木の特徴
・新しい家の庭に多い
・樹皮がまだら模様
・実は品種によって大きさが違う
・萌芽力があり、刈り込みによって形を作りやすいため、トピアリーに使うことができる
・病害虫に強いが、まれにハダニ、カイガラムシの被害に遭うことがある
・雌雄異株であり、実を楽しむためには雌の木を植える必要がある。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(33)
ホオノキ/ほおのき/朴の木
実の時期:10月 実の直径:100mm以上
木の特徴
・葉が、とてつもなく大きい
・初夏に大きな白い花が咲く
・寒さに強い。
・自然に形が整いやすい。
・樹勢が強く丈夫、病害虫も少ない。
・剪定で形が乱れやすく、狭い庭には全く向かない。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(32)
クサギ/くさぎ/臭木
実の時期:10月 実の直径:6~7mm
木の特徴
・葉をちぎると臭い
・真夏に白い花が咲く
・日向を好むが日陰にも耐え、土質を選ばず丈夫な性質を持つ。
・成長が早く5m程度にまで達する。
・剪定に強く、狭いスペースでは好きなように剪定して構わない。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(31)
ツリバナ/つりばな/吊り花
実の時期:10月実の直径:10~12mm
木の特徴
・実は「釣り」のように長く垂れ下がる
・紅葉が美しい
・病害虫に強く、土質を選ばず丈夫に育つ
・剪定もできるが、芽を出す力が弱い為、強度の剪定は避ける
- 赤い実ができる木を教えて下さい(30)
ニシキギ/にしきぎ/錦木
実の時期:10月
実の直径:10~15mm
木の特徴
・枝にコルク質の翼がある
・紅葉が美しい
・病害虫に強く、丈夫で育てやすい。
・挿し木、実生で繁殖できる。
・枝が奔放に伸びるため樹形を維持するには刈り込みが欠かせない。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(29)
ゴンズイ/ごんずい/権翠
実の時期:9月
実の直径:10~20mm
木の特徴
・林の縁に多い
・葉に光沢がある
・土地を選ばず丈夫に育つ性質を持つ。
・芽を出す力は強いため、手入れして形を作ることはできる。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(28)
アオキ/あおき/青木
実の時期:12月実の直径:15~20mm
木の特徴
・低木であり、実を見つけやすい
・民家の庭に多い
・病害虫、潮風、大気汚染にも強いが風通しが悪い場合はカイガラムシやアブラムシが発生するため、
できるだけ風通しの良い場所に植えましょう。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(27)
カマツカ/かまつか/鎌柄
実の時期:10月~実の直径:7~10mm
木の特徴
・株立ちの低木
・初夏に白い花が咲く
・幹や枝が硬い
・毛虫が発生しやすいため、剪定で枝葉が繁茂しすぎないようにするのが良い。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(26)
オトコヨウゾメ/おとこようぞめ
実の時期:10月 実の直径:7~8mm
木の特徴
・落葉低木
・春に小さな白い花が咲く
・自然に形が整うため、基本的には放任して育てる。
・剪定を嫌い、下手に剪定すると元気がなくなる、枝は必ず根元で切る。
・実は苦味が強く、生食できない。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(25)
アズキナシ/あずきなし/小豆梨
実の時期:10月 実の直径:7~8mm
木の特徴
・葉脈は均等に並び、よく目立つ
・基本的には病害虫の被害が少ない
・寒冷地を好み、町中ではそれほど大きくならないため管理しやすい。
・自然樹形を楽しむものであり、剪定にはセンスと技術が必要になる。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(24)
ハナミズキ/はなみずき/花水木
実の時期:9月~ 実の直径:12~15mm
木の特徴
・民家に多い
・枝の出方が直線的
・街路樹に使われるほど丈夫な木であり、病害虫も比較的少ない。
・実や枝葉(樹液)に毒性があり、樹液に触れると皮膚がかぶれる場合もある。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(23)
サンゴジュ/さんごじゅ/珊瑚樹
実の時期:8月~ 実の直径:7~8mm
木の特徴
・葉の虫食いが多い
・高い生垣に使われる
・萌芽力があり、刈り込みによく耐える。
・葉虫の被害が多いので、春先の剪定と消毒が必須となる。
・日向を好むが、日陰にも強い。
・潮風に強く、海岸の防風垣に使用できる。
・サンゴのような実は、掃除がやや面倒となる。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(22)
ゴマギ/ごまぎ/胡麻木
実の時期:8月~ 実の直径:12~15mm
木の特徴
・葉に胡麻の香りがあります。
・実の数が多い
・自生地は水辺が多く、根元が水に埋まっても元気なほど湿気を好みます。
・半日陰程度の場所がよいが、比較的、適応力があり、どこでも育ちます。
・大木となるため、一般家庭での植栽は稀で、剪定は可能ですが、樹形は乱れやすいです。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(21)
サンシュユ/さんしゅゆ/山茱萸
実の時期:5~6月 実の直径:8mm
木の特徴
・樹皮は剥げ落ちる
・実は朱色で光沢があります。
・非常に丈夫な木で、植え場所を選びません。
・剪定にも耐え、株立ち状の自然樹形が美しいため、枝を大きく広げるように育てましょう。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(20)
アリドオシ/ありどおし/蟻通し
実の時期:10月 実の直径:5~12mm
木の特徴
・日陰に多い
・枝に長い棘がある
・幹が細いが、剪定には耐えるますが棘があるため手入れは厄介。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(19)
ヤブコウジ/やぶこうじ/藪柑子
実の時期:10月~ 実の直径:5~6mm
木の特徴
・地面を覆うように生える
・日陰でも育つが実を楽しむには半日陰程度が良く、また強過ぎる日差しも好みません
・花崗岩が風化したような土を好みますが、適応力は高いです
・特に剪定の必要はありませんが、繁茂しすぎた場合は刈り込を要します
- 赤い実ができる木を教えて下さい(18)
カラタチバナ/からたちばな/唐橘
実の時期:10月 実の直径:6~7mm
木の特徴
・草のように背は低い
・実は長く枝に残る
・自然環境では薄暗い場所に自生しており、庭園でも高木の下など直射日光があたらない場所が良いです
・連作障害が起きやすく、マンリョウ、ヤブコウジを含めて同類の植物が育った跡地では生育が悪いです
- 赤い実ができる木を教えて下さい(17)
センリョウ/せんりょう/千両
実の時期:10月~ 実の直径:5~7mm
木の特徴
・低木
・実は葉の上につく
・日向では葉が焼け、日陰では実付きが悪い事から、明るめの日陰に植えるのが丁度よい。
・剪定の必要がなく、手間がかからない。(剪定には不向き)
- 赤い実ができる木を教えて下さい(16)
マンリョウ/まんりょう/万両
実の時期:10月~ 実の直径:6~8mm
木の特徴
・低木
・葉の縁が波打つ
・日向でも育てられるが、葉の色が悪くなる。
・剪定の必要がなく、手間がかからない。(芽を出す力が弱く、剪定には向かない。)
・根が真下にしか伸びず、細根が少ないため、大きくなったマンリョウの移植は難し。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(15)
ナンテン/なんてん/南天
実の時期:10月 実の直径:4~7mm
木の特徴
・低木で都会にも多い
・古い民家に多い
・ナンテンの実を食べるのは主にヒヨドリ。
・剪定は可能だが、基本的には剪定を嫌うため、樹形を整える最低限にとどめなければ、生育が悪くなる。
・病害虫に強いが、根が浅く、なおかつ頭でっかちに育つため、風の影響で倒れやすい。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(14)
ソヨゴ/そよご/冬青
実の時期:10月 実の直径:6~9mm
木の特徴
・葉は波打つ
・幹が複数ある「株立ち」が多い
・成長が遅く手間がかからないが、剪定にやや弱く、下手に手を入れると形が乱れる。
・病害虫にも強いが、根が浅いため大木になると強風で倒れやすい。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(13)
イイギリ/いいぎり/飯桐
実の時期:10月 実の直径:8~12mm
木の特徴
・木の姿がキリに似て、大きな葉が昔、食器代わりに飯(おこわ)を包むのに使われた事から、イイギリ(飯桐)と名付けられた。
・実はブドウのように垂れ下がる
・実は落葉後も枝に残る
・病害虫には比較的強いが、稀に、さび病の発生が見られる。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(12)
ナナミノキ/ななみのき/七実の木
実の時期:10月 実の直径:6mm
木の特徴
・大木では実を見つけにくい
・モチノキやクロガネモチに似る
・モチノキやヤマグルマと同様、樹皮からはトリモチが採取された
・成長が遅く、それほど剪定の必要もない
・都市部ではモチノキ同様にカイガラムシやハマキムシの被害に遭うことがある
- 赤い実ができる木を教えて下さい(11)
クロガネモチ/くろがねもち/黒鉄黐
実の時期:10月 実の直径:5~8mm
木の特徴
・葉の軸が紫色
・大木にできる赤い実は、かなり目立つ
・病害虫、大気汚染に強く、耐煙性、防火性に優れる。
・大きな木でも移植が可能。
・雌雄異株で、実がなるのはメスの木のみですが、オスを植えなくても実はなる。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(10)
カナメモチ/かなめもち/要黐
実の時期:10月 実の直径:4~5mm
木の特徴
・生垣に多い
・枝先の葉は赤い
・成長が早く、マメに剪定しますが、材質は硬いため手入れは多少しにくい
・寒さに弱く、降雪地帯では育てられない。
・根頭がん種病、斑点病など病気が多い、本種よりもレッドロビンの方が病害虫に強い。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(9)
シロダモ/しろだも
実の時期:10月 実の直径:12~15mm
木の特徴
・実と共に、黄色い花が咲く
・葉の裏が白い
・実は、赤く熟するまでには1年近くかかるため、花と実を同時に見る事ができ、小鳥がよく集まる。
・剪定に耐える。
・植木としての流通量は少なく、入手はやや難しい。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(8)
アキグミ/あきぐみ/秋茱萸
実の時期:10月 実の直径:6~6mm
木の特徴
・葉の色はオリーブに似る
・水辺に多く、初夏に白い花が咲く
・秋になる実は完熟すれば生食できるが、やや渋みがあり果実酒やジャムなどに加工して使うのが良い。
・アキグミの材は緻密で手触りがよく、道具の柄に使われる。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(7)
オオカメノキ/おおかめのき/大亀の木
実の時期:8月~ 実の直径:6mm程度
木の特徴
・葉が手のひら大の大きさ
・枝が横へ横へと伸びる
・他に赤い実がない時期にできる。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(6)
カマズミ/がまずみ
実の時期:10月~ 実の直径:6mm
木の特徴
・藪に普通に見られる
・葉脈が目立つ
・萌芽力はあるが全体を刈り込むような手入れは不向き。
・垣根などには向かない。
・剪定は冬季に乱れた枝を根元から取り除く程度。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(5)
ウメモドキ/うめもどき/梅擬
実の時期:10月~ 実の直径:5mm
木の特徴
・実の数が多く、冬の間中、枝に残る
・枝が横に広がる
・実のなりがよく、樹形の乱れも少ないため、初心者でも楽しめる.
・萌芽力があり剪定にも強い。
・日向を好む。実の成りは悪いものの日陰でも育つ。
・病害虫に強い。(カイガラムシの被害に遭うこともある)
- 赤い実ができる木を教えて下さい(4)
モチノキ/もちのき/黐の木
実の時期:9月~ 実の直径:10~15mm
木の特徴
・葉に病害虫が多い
・実は朱色に近い
- 赤い実ができる木を教えて下さい(3)
アオハダ/あおはだ/青膚・青肌
実の時期:9月~ 実の直径:7~8mm
木の特徴
・葉が薄く、黄葉する
・幹や枝数が多い
・自然樹形を楽しむ木であり、剪定にはセンスと技術が必要になる。
・病害虫は少ない(まれにテッポウムシの被害にあう)。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(2)
モッコク/もっこく/木斛
実の時期:9月~ 実の直径:10~12mm
木の特徴
・葉はツヤツヤ
・古い家の庭に多い
・大気汚染、潮風に強く耐陰性が高い、また日陰でも日向でも良く育つ。
・湿気のある肥沃な土地を好み、西日や冬の寒風に弱い。
・寒さに弱く、関東北部より北では冬季の葉が見苦しくなりやすい。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(1)
ヤマボウシ
実の時期:8月~ 実の直径:12~25mm
木の特徴
・新しい家の庭に多い
・樹皮がまだら模様
・実は品種によって大きさが違います
・実は果肉が柔らかくて甘みがあり、生食や果実酒に使うことができる。
- 木の苗を植えたいのですが、根っこ回りの布は外すのですか?
写真は根巻き苗と言います。
掘り上げた苗木の根っこを麻布と麻紐でくるんで根を巻くことで根を保護しています。
根巻き苗は麻布も麻ひもも外さず、そのまま植えてください。
麻布も麻紐も数ヶ月で土中で分解されてなくなります。
わからない、面倒な時はご連絡下さい。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(20)
モクレン(木蓮)
木蓮という名前は、ハス(蓮)に似た花が咲く木という意味合いです。
寒さに比較的強く、北海道でも植栽できます。
日当たりを好み、日陰では育ちが悪く湿気のある肥沃な土地を好みますが、あまり土質を選びません。
株立ち状に育ち、枝分かれも多いですが剪定は好まみません。強度の剪定は樹勢が衰える原因となる
可能性があり、冬季に不要な枝を付け根から切除する程度にとどめる程度が良いでしょう
。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(19)
ミツマタ
中国・ヒマラヤ地方を原産とするジンチョウゲの仲間で関東地方以西の本州、四国、九州に分布します。
名前の通り枝が三つに分岐するのが特徴で、樹皮は和紙の原料になり、特に「お札」の原料になる木と
して各地で栽培され現代、各地で見られるのはそれが野生化したものだそうです。
植栽適地は日向から半日陰で、夏の西日や冬の寒風が当たらない場所がよく、
特に苗木のうちは直射日光を嫌います。
ジンチョウゲ同様移植が難しい為、植え付けの際は考慮する必要があり、また剪定もあまり好みません。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(18)
ヒュウガミズキ(日向水木)
春に咲く黄色い花は可憐で美しく、秋の黄葉も観賞価値があるため庭園や公園でしばしば利用されます。
原産地が日向の国(宮崎県)として名付けられましたが、実は近畿地方北部の産であり、誤解であります。
本来は自然な樹形を楽しむべき樹種ですが、刈り込みに強いため樹形を整えることもできます。
日向であれば土質を選びませんがしかし、日陰では花つきが悪いです。
芽を出す力が強く病害虫、潮風にも強いですが成長が早いため、大株になりやすいので注意して下さい。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(17)
ハイビャクシン(這柏槙)
成長が遅く、病気にも強いため、あまり手をかけずに年中緑色のグラウンドカバーとなる、
肥沃地がベストだが、痩せ地でも育ち、挿し木で増やすこともできる。
寒さには強いが、日陰では生育が悪い。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(16)
ニオイヒバ(匂檜葉)
ニオイヒバの名のとおり、葉を揉むと特徴的なパイナップルあるいは柑橘系のさわやかな香りがする。
葉から採取される精油は薬用になるが、中枢神経に弊害をもたらす物質(ケトン)を含む。
寒さにかなり強く、北海道や東北地方などの寒冷地で垣根に使われることが多い。乾湿を問わず丈夫に育ち、枝は水平に伸び、樹形は円錐形になるのが基本。
あまり手を入れずに自然樹形を鑑賞するのが理想だが、芽を出す力は強く、剪定にも耐える。
また、若木のうちは成長が早く、垣根を作りやすい。
季節によって葉の色が変化し、冬期はくすんだようになるため、好みが分かれる。
病害虫、大気汚染に強いく、 日陰にも耐える陰樹だが、日当たりの悪い下枝は枯れこみやすい。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(15)
トサミズキ(土佐水木)
土質を選ばずに育つが、石灰岩質を好み半日陰でも育てられる。
病害虫に強いが、寒さに弱い。
芽を出す力はあるが、基本的に枝数は少なく、あまり剪定を好まない。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(14)
ドウダンツツジ(満天星)
成長が緩やかで、大きくなるまでに時間がかかるため、比較的狭いスペースでも育てられる。
耐寒性、耐暑性があり、乾燥や病害虫にも強い。
花を楽しむためには日向に限るが、非常に丈夫な木であり、半日陰程度なら耐えられる。
また、土質もあまりこだわらずに育つ。
枝分かれが多く、好きな形に剪定しやすい。真夏を除けば、葉が全てなくなるような強い剪定にも耐える。
剪定をサボると下の方の枝がなくなりやすく、垣根の場合は用心したい。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(13)
ソヨゴ(冬青)
葉がまばらで常緑樹としては明るく、庭の雰囲気が暗くなりにくいが目隠しにはなりにくい。
背丈があまり大きくならないため、狭い庭にも適している。
成長が遅く手間があまりかからないが、剪定にやや弱く、下手に手を入れると形が乱れる。
土質を選ばず、病害虫にも強い。
日当たりを好むが、西日は嫌うが、日陰でも育てることができる。
枝が角ばったように発生するため、柔らかなイメージを維持するように管理するのは難しい。
赤い実がなるのは雌の木のみ。雄の木に比べると値段はやや高め。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(12)
スモークツリー
葉の色合いが美しく、カラーリーフとしても人気を高いが、ウルシの仲間であり、肌が敏感な人は注意を。
日当たりが良く寒風の当たらない場所が良く、成長が早く、大きくなりやすいため肥料はあまり必要ない。
病害虫にも強い。
花芽ができるのは2年生の枝なので、適当に剪定していると花を観賞することができない。
剪定の適期は花の直後。
樹形が乱れやすく、風によって転倒することもあるため、支柱を取り付けるか、枝抜き剪定をする。
スモークツリーは雌雄異株で、煙のような花が咲くのは雌のみ。購入の際には確認が必要である。
品種が多く、樹高や葉の色に多くのバリエーションがある。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(11)
シマトネリコ(島十練子)
島に育つトネリコの仲間という意味で、シマトネリコと名付けられた。
トネリコは「共練り濃」あるいは「戸練り粉」が転じたもので、樹皮を煮てニカワ状にしたものに墨を
混ぜて練ったものが、写経などに使われたことに由来する。
成長が早く、敷地に応じて大きさを抑制する必要がある。爽やかな姿を維持するには剪定のセンスが必要。
常緑樹としては葉の出方が粗く、目隠しにはなりにくい。
潮風、病害虫に強い。(環境によってはカイガラムシやアメリカシロヒトリの被害がある。)
木の姿が南国風で、他の植木とは馴染みにくい。
日向を好み、日陰では枝葉が間延びするなど生育が悪い。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(10)
サワラ
やや湿気のある肥沃な土地を好むが、人工的に作られた苗木はあまり土地を選ばずに育つ。
病害虫もほとんど見られない。
乾燥にはやや弱く、日差しの強い場所よりも半日蔭くらいの方が生育が良い。
萌芽力があり、葉が密生するため垣根に使用できるが、葉を残すように手入れをしないと枯れるため、
必然的に年々大きくせざるを得ない。【似ている木】
・ヒノキとサワラの違い
葉の先端が尖っているのがサワラで、丸みがあるのがヒノキだが、これだけでは判別が難しい。
より確実なのは葉の裏を見る方法で、葉の裏面の模様(気孔線)がヒノキは「Y」の字で、
サワラは「X」の字になっている。
「X」や「Y」の文字は白く浮き上がって見えるので素人でも難しくない。
また、ヒノキは枝葉が密生しているため、木の下に立つと向こうの景色が見えないが、
サワラは隙間があって向こう側が見える。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(9)
サカキ(榊)
名前の由来には、葉が一年中青く栄えていることから「栄える木」、これが転じてサカキとなった
という説や、神の世界と人間界の境に植える木を意味する「境木」からサカキとなったという説がある。
本来は日向を好むが日陰にも強く、植え場所を選ばない。ただし、日陰では枝葉が間延びしやすく、
日向では葉の色がきれいになりにくい。
病害虫には強いが、暖地性の木であり、寒さが厳しい場所では育てられない。
茨城県辺りが植栽の北限になる。
枝葉の出方が荒いため、手入れの頻度は低くてすむものの、樹形を整えにくい。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(8)
コノテガシワ(児の手柏)
中国の北部~西部を原産地と想定されるヒノキ科の常緑樹。
平面状の葉の様子が、子供の手のひらに似るとして「児の手柏」と名付けられた。
樹皮はヒノキに似ており、樹齢を重ねると縦に裂ける。中国では樹高20m以上になるものもある。
・枝葉が密生するため、積雪や強風によって枝が折れやすい。また、根が浅く、風で倒れやすいため、
植え付け時は支柱を添え、その後は定期的に剪定して枝葉の量を調整する必要がある。
病害虫に強いが、冬期には葉が褐色になってやや見苦しくなることもある(肥料切れの場合も同様)
- 病害虫に強い木を教えて下さい(7)
コウヤマキ(高野槙)
東北地方南部(福島県以西)の本州、四国及び九州(宮崎県のみ)に点在する常緑針葉樹。
かつては北半球に広く分布していたが、現在では日本にのみ残るため、日本固有の樹木とされる。
基本的には土を選ばず、乾燥にも耐えて育つが、水はけのよい肥沃地に植えるとより良い。
稀に黒斑病になるが、基本的には病害虫に強い。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(6)
ギンヨウアカシア(銀葉アカシア)
「ミモザ」の名前で、切花や生け花に使われる常緑樹。早春に黄色い花を枝いっぱいに咲かせる。
ギンヨウ(銀葉)のとおりメタリックな色合いの葉が他の植木とは異なる異国情緒を放つ。
乾燥に強く、日当たりと水はけの良い場所を好み、病害虫には強い。
また枝が縦横無尽に伸びるため、他の木のすぐ近くに植えるのは馴染まない。
幹や枝が軟弱でユラユラと風に弱いため支柱をする必要があり、強風で枝が折れやすいため、
花の後は剪定する習慣を付け、できるだけコンパクトにまとめたい。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(5)
カツラ(桂)
北海道から九州まで日本全国の山地に見られる落葉樹で、北海道では最も樹高が高くなる木。
左右対称の端整な樹形や新緑、黄葉の美しさから日本の銘木として海外でも知られ新緑の頃は特に美しい。
湿気の多い肥沃地を好み、日向を好むが半日陰でも育てることができる。
病害虫に強いが、夏の暑さにはやや弱く、乾燥が激しいと葉焼け起こすことや落葉することがある。
自然樹形が美しく、不適切な剪定では樹形が乱れる。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(4)
カクレミノ(隠蓑)
関東南西部から沖縄に分布するウコギ科の常緑樹。ヤツデやアオキとともに日陰に強い植木の代表である。
葉の形が伝説上の「隠れ蓑」に似ていることから命名された。
幼木のうちは葉が3つ~5つに裂けるが、成木になると長楕円形の葉だけになる。
ほとんど目立たないものの、成木になると6~8月に黄緑色またはクリーム色の五弁花が咲き、
秋から冬にかけて実が黒く熟す。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(3)
イトヒバ(糸檜葉)
原種であるサワラよりも成長が遅く、樹形が大きく乱れることは少ない。また、病害虫の発生もないため、
手入れが楽な庭木といえ、広い庭でも狭い庭でもその場に応じた樹形に整えられる。
比較的、寒さに強く、北海道南部まで植栽できる。
冬期は葉色が褐色になるが、寒さや積雪に耐えるため北国のコニファーとして利用できる。
ただし、元気に育てるなら関東以南が望ましい。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(2)
イチイ(一位)
日本及び中国東北部、シベリア東部を原産とするイチイ科の常緑針葉樹。
まっすぐに伸びる幹と綺麗な円錐形を保つ樹姿が美しい。
葉は羽根状で、カヤあるいはメタセコイア、センペルセコイアを小型にしたような形だが、
柔らかでチクチクしない。
病害虫に強いが、まれにハダニ、カイガラムシの被害に遭うことがある。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(1)
アカシデ(赤四手)
北海道から九州まで、日本全国の山地に分布する落葉樹。特に関東地方の雑木林では普通に見かける。
別名を「アカソロ」という。新芽が赤く、幹、葉を始めとした木全体も赤みを帯びることから、
アカシデ、赤芽シデ、赤目シデなどとも呼ばれるようになった。
一年を通じて木全体に赤味があって美しいが、特に新緑と秋の紅葉は観賞価値がある。
病害虫が少なく、自然樹形に観賞価値があるため、人工的に剪定するのは不向き。
樹形は剪定しなくても整いやすいため初心者に向いている。
- 毒のある木を教えて下さい(22)
アブラギリ(油桐)
雌雄異株で5月から6月にかけて直径2センチほどの小さな白花が円錐状に集まって咲く。
中心部が黄色から赤へと変化する。花の後にできる実は楕円形で、10月頃、黄褐色に熟す。
種子にはエレオステアリン酸を含み、食べると嘔吐、下痢の症状を引き起こす。
- 毒のある木を教えて下さい(21)
センダン(栴檀)
四国から沖縄の暖地に自生する落葉樹。
トネリコに似た涼しげな枝葉が良好な緑陰を作ることから、校庭や並木に使われることが多く、初夏に咲く
薄紫色の花はたいへん美しく香りも良い。
一つひとつの花は小さいがまとまって咲くため、花期には木全体が薄紫色に見えるほどになる。
9月ごろに熟すクリーム色の大きな実は、枝先に鈴なりにでき、遠目からも目立つ。
その姿は数珠がたくさんあるように見えるため、「千珠」と呼ばれ、それが変化してセンダンとなった。
ヒヨドリなどの野鳥が好んで食べるが人間の食用とはならない、個人差はあるが、実を多く食べると嘔吐、
腹痛、胃炎、呼吸停止を引き起こす。
実の中にある種子(苦練子)は民間薬に使われ、整腸作用、鎮痛作用があるという。
- 毒のある木を教えて下さい(20)
カルミア
別名をアメリカシャクナゲと言うが、シャクナゲの仲間ではない。
4~6月に咲く花は五角形で、色は白、赤、ピンク、紫などバリエーションに富む。
蕾は金平糖に似ており、その色の濃さから花より美しいとされることもある。
果実は小さな球形で10月頃褐色に熟す。
葉は長さ10センチほどになり、枝に螺旋状につくのが特徴。
麻酔性の有毒成分(グラヤノトキシン)を含み、誤食すると嘔吐、下痢、腹痛、神経麻痺を引き起こす。
- 毒のある木を教えて下さい(19)
シャクナゲ(石楠花)
華麗な花を咲かせるが、生の葉はロドトキシンという痙攣性の有毒物質を含み、誤用すれば運動麻痺や呼吸不全を引き起こす。
- 毒のある木を教えて下さい(18)
ホツツジ(穂躑躅)
北海道南部から九州までの山地に自生する落葉性のツツジ。
岩場や木の幹に着床して育つ事、花期が他のツツジとは異なる事、穂状の花を咲かせる事など、
ツツジとしては特異な性質を持つ。
花には虫が集まって蜜を吸うが、ホツツジは木全体にグラヤノトキシンという有毒物質を含み、
誤って食べると頭痛、嘔吐、痙攣などを引き起こす。
- 毒のある木を教えて下さい(17)
ニシキギ(錦木)
秋にできる実は10月頃に熟すと自然に破裂し、中からオレンジ色の種子が顔を出す。
この種子はトリグリセロールという有毒成分を含み、人間が食べると腹痛、嘔吐、下痢などの
症状を引き起こすが、野鳥は好んで食べる。
- 毒のある木を教えて下さい(16)
イヌマキ(犬槙)
雌の木にできる実は団子状だが、白い粉をふいた緑色の部分が本来の実であり、赤い部分は、
花托(花びら、雌しべなどを付ける部分)と呼ばれる。
花托は赤く熟せば甘味があり食用できるが、対になってできる緑の種子には、
毒(イヌマキラクトン)があり、誤食すると嘔吐や下痢を引き起こす。
- 毒のある木を教えて下さい(15)
フユサンゴ(冬珊瑚)
10月~12月に珊瑚のような赤い実がなることからフユサンゴと名付けられた。
実の直径は1センチほどで、8月頃にできはじめ、色は緑→黄色→オレンジ→赤と変化する。
長期間にわたって実を観賞することができる事、冬に鮮やかな色になる事から観賞用に使わられるが、
プチトマトのような実は一見おいしそうだが有毒であり、重症の場合は命を落とすこともある。
小さな子供やペットがいる家庭では厳禁。
- 毒のある木を教えて下さい(14)
アジサイ(紫陽花)
乾燥させた若葉をフリカケにして食べた地方があったり、乾燥させた花を解熱剤にした時代があったりと、
アジサイは実用的に使われる面もあった。
しかし、セイヨウアジサイの花や葉には有毒物質が含まれ、腹痛、嘔吐、めまいを引き起こすこともある。
- 毒のある木を教えて下さい(13)
トチノキ(橡)
栃の実は現代でも「栃餅」として餅米と共についた物や、粥にしたものが食用される。
ただし、サポニンやエスクリンといった毒性の物質が含まれ、味も苦味があるので十分な
灰汁抜き(精製)をしないと下痢、胃腸炎、脱水症状に陥ることがある。
実は食用のみならず、サポニンを利用して石鹸代わりに使ったり、焼酎に漬け込んだものや焼いて油で
練ったものを塗り薬に使うなど用途が多い。
- 毒のある木を教えて下さい(12)
サイカチ(梍)
10月頃に成熟するマメは長さ20~30センチにも及ぶ。中には3~6個の種が入っており、
利尿や痰を切る漢方薬として使われる。
また、この種を含む実にはサポニンという物質が含まれ、煮汁が洗濯石鹸代わりになるため、庭木として
使うことは少ないものの、オーガニックブームの影響もあって自然に優しい石鹸として見直されている。
ただし、種子は誤食すると嘔吐や下痢を引き起こす。
- 毒のある木を教えて下さい(11)
エゴノキ(野茉莉)
実を噛むと「えごい(えぐい)」味がすることから「エゴノキ」と名付けられた。
果皮にはエゴサポニンという有毒物質が含まれ、誤食すると胃の粘膜がやられて喀血するおそれがある。
かつて、痰切りの目的でエゴの実を製薬化したことがあったものの、胃への副作用があり製造は中止となった。
- 毒のある木を教えて下さい(10)
ユズリハ(譲葉)
秋になるとブドウのような実ができる。見た目は美味しそうで小鳥も集まるが、有毒物質が含まれており、
食すれば呼吸困難などを引き起こす。
葉や樹皮にも有毒物質(ダフニマクリン、ユズリン)などを含み、家畜が食べると立てなくなったり、
食欲不振や心臓麻痺を引き起こす。
- 毒のある木を教えて下さい(9)
エニシダ(金雀枝)
ホウキのような樹形に育つのが基本であり、ヨーロッパではその様子を魔女が使う箒に例え、
エニシダが茂る家は主婦が強いとすると言い伝えがある。
木全体にアルカロイド毒のスパルティンという物質を含み、誤って食すと頭痛、嘔吐、血圧降下、
呼吸困難を引き起こす。
- 毒のある木を教えて下さい(8)
ミヤマシキミ(深山樒)
ミヤマシキミの実は、正月の飾り花として使われる。
かつて本種をマンリョウと称して売っていたこともあるが、
実は直径1センチ近くでマンリョウよりも大きく、容易に区別できる。
マンリョウより実が大きいためオクリョウ(億両)という呼び名もあるが、あまり定着していない。葉は長さ10センチほどと大きめ。厚めで光沢があり、縁にはギザギザがない。
ミヤマシキミはミカン科であり、葉をちぎるとミカンのような独特の香りがあるが、葉や実には
有毒成分アルカロイドのシキミアニンを含み、誤食すると痙攣、血圧降下、心筋麻痺を引き起こす。
- 毒のある木を教えて下さい(7)
シキミ(樒)
江戸時代から花木として栽培される。光沢のある葉が美しく、サカキ同様、神仏事に使う実用性のある木
として庭に植えられる。
木全体に香りがあり、乾燥させた枝葉は線香(抹香)の原料になることなどから別名ハカバナ(墓花)
と呼ばれ、土葬の時代は動物に掘り起こされないよう、シキミの枝葉を共に埋葬したという風習もあり、
地方によっては縁起の悪い木として庭に植えるのをタブー視する。
秋に熟する実に有毒成分(アニサチン、イリシン、ハナノミン)を含むため「悪しき実」とされ、
これが転訛しシキミと呼ばれるようになった。
(アセビ(馬酔木)と同様だが、「臭き実」(クサキミ)がシキミに転じたという説もある。)有毒植物は日本に数多いが、なぜか本種のみが、毒劇法(毒物及び劇物取締法)において毒物指定されて
いる。実を食べると嘔吐、痙攣、意識障害が起き、最悪の場合は死に至る。有毒成分は種子よりも果皮に
多く、血液の凝固を促進する働きも持つ。
- 毒のある木を教えて下さい(6)
キャラボク(伽羅木)
成長しきったキャラボクは成長が遅く、樹形が乱れにくいため、あまり手間がかからない。
赤い実は食用にするが、種は有毒であるため、子供やペットが食べないよう留意する必要がある。
- 毒のある木を教えて下さい(5)
イチイ(一位)
雌雄異株で3~4月に開花するがほとんど目立たない。
メスの木になる赤い実の果肉(仮種皮)は甘く、食用や果実酒用となるが、その中に包まれる種はタキシン
というアルカロイドを含む有毒性であり、飲み込むと痙攣を起こし、最悪の場合、呼吸困難で死に至ること
もある。枝葉は民間療法に使われ、糖尿病、高血圧、肝臓病に効果があるとする俗説があるものの、
イチイは果肉以外すべての部位にアルカロイドを含むため、素人が容易に用いることはできない。
- 毒のある木を教えて下さい(4)
ネジキ(捩木)
アセビ同様に有毒植物であり、本来は庭に使われるような木ではないが、幹が持つ野趣や渋みのある紅葉が
好まれ、雑木の庭を中心に使われることがある。
特に葉の毒性(アンドロメドトキシン、リオニアトキシン)が強く、家畜の飼料にネジキの葉を混ぜるのは
禁物とされる。人間も食せば、嘔吐や痙攣を引き起こす。
- 毒のある木を教えて下さい(3)
アセビ(馬酔木)
漢字名のとおり、馬がアセビの枝葉を食べると呼吸中枢が侵され、酔ったように脚が不自由になることから
「アシビ(足痺れ)」の別名があるという。
アセビという名前も「悪し実(あしみ)」から転じたとする説もある。アセビの葉、花、枝に毒性(アセボトキシン/グラヤノイド)があり、アセビの葉を誤食すると嘔吐や痙攣
といった症状が起き、花で作った蜂蜜で中毒を起こした例もある。
- 毒のある木を教えて下さい(2)
キョウチクトウ(夾竹桃)
枝、花、葉に毒(オレアンドリン)を含み誤食すると頭痛、嘔吐、意識障害を起こし死に至ることもある。
家畜のそばには植栽しない方がよい。
- 毒のある木を教えて下さい(1)
ドクウツギ(毒空木)
日本三大有毒植物(他にドクゼリ、トリカブト)の一つであり、実のみならず葉や茎にも毒を含む。
夏にできる赤い果実はよく目立ち、見た目も綺麗だが、コリアミルチン、コリアチンなどの神経毒を含み、
少しでも口にすれば、延髄の中枢が刺激され、激しく嘔吐した末に全身が痙攣し、意識を失う。